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レイ・ダリオ「ビットコインは安全資産ではない」、セイラーが反論

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • ビットコインの「プライバシー欠如」と「株との相関」を懸念
  • 反論:「透明性は機能」、ビットコインはゴールド比で高リターン

著ビットコインへの懸念を再表明 セイラー氏と対立

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者レイ・ダリオ氏は12日、ビットコイン(BTC)が期待されていた「安全資産(セーフヘイブンアセット)」としての役割を果たしていないとの見解を改めて示した。同氏は、ビットコインが中央銀行の準備資産になり得ない主な理由として、取引の追跡・監視が容易な「プライバシーの欠如」や、ハイテク株との高い相関性によるボラティリティを挙げている。

ダリオ氏はビットコインを「比較的小規模でコントロール可能な市場」と評する一方、ゴールドについては「歴史的に確立された唯一無二の資産」であると強調した。同氏は、中央銀行が近年ゴールド準備を積み増している事実を論拠に、物理的な制約を伴う資産の重要性を訴えている。

なお、同氏は分散目的でポートフォリオの約1%をビットコインで保有していることを認めつつも、それは確信に基づく投資ではないとしている。

これに対し、ビットコイン推進派として知られるストラテジー会長のマイケル・セイラー氏は即座に反論を展開した。セイラー氏は「ゴールドはアナログ資本、ビットコインはデジタル資本である」と定義。

また、ダリオ氏が懸念したブロックチェーンの透明性については「バグではなく、世界的な担保資産として機能するための重要な特徴である」と述べ、デジタル資産ならではの優位性を主張した。

関連記事:レイ・ダリオが警告「ホルムズ海峡を失えば米覇権崩壊」、 歴史的帝国衰退パターンと重なる現在

レイ・ダリオ氏が、ホルムズ海峡をめぐる「最終決戦」の行方が米国覇権の存続を左右すると警告した。1956年のスエズ運河危機における英国の衰退や17世紀スペイン帝国、18世紀オランダ帝国の崩壊の例に言及し、米国がホルムズ海峡の支配権を喪失した場合、歴史と同じパターンを辿る可能性が高いと指摘した。

「デジタル資本」としての実績とマクロ経済への影響

セイラー氏は反論の根拠として、同社がビットコイン標準を採用した2020年8月以降のパフォーマンスデータを提示した。

同氏が公開したチャートによると、ビットコインの年換算リターンは40%に達し、ゴールド(GLD)の15%やナスダック100指数(QQQ)の19%を大幅に上回っている。シャープレシオの高さも取り上げ、投資効率の面でビットコインがゴールドを圧倒している実態を強調した。

出典:ストラテジー

ダリオ氏の懐疑論の背景には、米国の深刻な財政赤字への懸念がある。同氏は米国の財政赤字がGDP比7%に達し、年間2兆ドルの赤字を抱えている現状を「先進国で最悪水準」と指摘。AIによる雇用代替が進む今後10年で経済的な困難が訪れると予測し、政府の干渉を受けにくいゴールドへの回帰を推奨している。同氏はビットコインが流動性収縮の局面で「真っ先に売られる資産」であるとの見解を崩していない。

市場価格の推移もこの議論を後押ししている。ダリオ氏が同様の懸念を示した今年3月3日時点で、ゴールドは1オンス5,128ドル、ビットコインは6万8,707ドル前後であった。しかし5月時点では、ゴールドが4,715ドルまで下落する一方で、ビットコインは8万ドルまで値を戻しており、両資産は対照的な推移を見せている。

ダリオ氏が指摘するハイテク株との連動性は依然として課題として残るものの、イラン情勢を巡る緊迫化などの地政学リスクを受け、ゴールドを凌駕する「携行性の高さ」や「国家に依存しない無政府資産」としての特徴が改めて市場で評価されたものと見られる。伝統的金融の巨人とデジタル資産の旗手による議論は、将来の金融システムの主役が「物理的資産」か「デジタル資産」かを問う重要な論点となっている。

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