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メタプラネット決算発表 インカム事業が取得コストを圧縮

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 世界上場企業のBTC保有量3位、BTCイールド2.8%を記録
  • 最大約5.3億ドルの資金調達を発表、mNAV条項で希薄化を構造的に抑制

営業外費用の影響で経常赤字

メタプラネットが13日に発表した2026年第1四半期決算は、ビットコイン・インカム事業を中心に大幅な増収増益を記録した。

本業ベースの収益性は高い水準を維持している一方、営業外費用の影響で経常損益は赤字となった。

経常赤字の要因は、ビットコインの価格変動に伴う評価損と多額の支払利息だ。会社側はかねてから、この種の損失は現金の流出を伴わない会計上の処理に過ぎず、日々の事業運営やキャッシュフローに直接の影響はないと説明している。株価が帳簿上の数字に反応しやすい局面では、この構造を正しく理解しておくことが重要になる。

「インカム事業」が実質取得コストを市場平均並みに圧縮

注目すべきは、オプション取引(主にプットオプションの売却)を活用した「ビットコイン・インカム事業」の存在感だ。当四半期だけで約29億7,000万円の収益を計上しており、この収益をビットコイン購入費用の原価から控除することで、同社は実質的な純取得単価を市場平均並みの水準に近づけることができたと説明している。bitFlyer四半期加重平均価格(約1,186万円)との比較を自社で示しており、インカム事業が取得効率の改善に寄与していることがわかる。

同社が重視するKPI「BTCイールド」は当四半期で2.8%を記録。第1四半期中に5,075BTCを追加購入し、累計保有枚数は4万177BTCを超え、世界の上場企業によるビットコイン保有量ランキングで第3位と報じられている。

関連記事:ビットコインを保有する上場企業ランキング|世界・日本TOP10を徹底比較【2026年5月最新】

ビットコイントレジャリー(DAT)上場企業の保有ランキング2026年4月最新版。世界1位はStrategy(762,099 BTC)、日本1位はメタプラネット(40,177 BTC・世界3位)。BTC保有量・時価総額・業種を一覧で比較。

約5.3億ドル規模の資金調達と株主保護スキームの設計

今後に向けては、新株式および新株予約権の発行による大規模な追加資金の調達を発表した。複数の外部報道によると規模は最大約5.3億ドル相当とされており、2026年末までに10万BTC、2027年末までに21万BTCという保有目標の実現に向け、積み上げを加速させる方針だ。

市場が注目するのは新株予約権に盛り込まれた「mNAV条項」だ。mNAVとは「1株あたりのビットコイン保有量に基づく純資産価値」を示す独自指標で、株価がその1.01倍を下回っている局面では新株予約権の行使を認めない仕組みとなっている。大規模な資金調達に伴う株式希薄化を構造的に抑制するこのスキームについて、同社は世界初の試みと位置づけている。また、インカム事業の収益を配当原資とする永久型優先株式の活用も構想段階として示されており、株価への悪影響を抑えながら資金調達を行う方針を明確にしている。個人投資家の間では、決算の数字よりもBTC相場と追加購入余力への関心が強く、この資金調達の規模と設計が今後の株価動向を左右する焦点となりそうだ。

「1株当たりBTC最大化」という経営哲学の全体像

メタプラネットが目指しているのは、単なるビットコイン購入企業ではない。同社が掲げるビットコイン・トレジャリー戦略の核心は、ビットコインを企業財務の中核資産として位置付けつつ、「1株当たりのBTC保有量(BTC per Share)」を継続的に高めることで株主価値を最大化するという、一貫した経営思想にある。

資金の調達源は多層構造だ。普通株式・優先株式・新株予約権・転換社債などエクイティ側の手段に加え、社債発行やビットコイン担保付きクレジットファシリティといったデット調達、さらにビットコイン・インカム事業や「ビットコイン・ジャパン」「Project Nova」といった事業キャッシュフローの3つのルートを束ね、すべてのリソースをBTC取得という一点に集約する設計になっている。

この戦略モデルの海外における先例として、同社の決算資料が引き合いに出したのがStrategyの上場優先株式「STRC」だ。2025年7月のIPOで約24.7億ドルを調達してスタートし、2026年4月時点の時価総額は約85億ドルへと急拡大、世界最大規模の上場優先株式へと成長した。

インカム事業の収益を配当原資とする優先株式の活用をメタプラネットが打ち出した背景には、このSTRCの成長軌跡が一つの参照点として存在している。

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