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米控訴裁が審理、最古の仮想通貨ミキサー「ビットコインフォグ」に米国法は適用可能か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 10年間で120万BTCを移動、資金洗浄共謀などの罪で懲役12年半の判決
  • 真に分散型の開発者は訴追対象外、運営への関与度合いが司法の争点に

米国の法律を適用できるかなど争点に

米国のコロンビア特別区控訴裁判所は12日、暗号資産(仮想通貨)ミキシングサービス「ビットコイン・フォグ」の運営者とされるローマン・スターリンゴフ氏の控訴審を行った。

米国の送金法などがインターネット上の仮想通貨サービス・プラットフォームにどの程度適用されるかについて、検察側と弁護側の双方の主張を聴取した格好だ。

ミキシングサービスとは

仮想通貨の取引データを複数混ぜ合わせることによって、その仮想通貨の出所や保有者のアイデンティティを隠すサービス。本来はプライバシー強化の仕組みだが資金洗浄に利用される事例も多い。

弁護側が「ビットコイン・フォグ」は海外で運営されていたと主張する中、検察側は米国で運営されていたことを証明する十分な証拠を持っているかということが主な争点となった。

今回の控訴審で、弁護側のトー・エケランド氏は、米政府が潜入捜査官に米国ワシントンから「ビットコイン・フォグ」を利用させることで、ワシントンを裁判地だとして「捏造」したと主張した。

一方で、検察側のジェニー・エリクソン氏は、「ビットコイン・フォグ」は意図的に米国ユーザーを対象とした国際送金事業を運営していたために米国の法律の適用を受けると反論している。

ロシアとスウェーデンに国籍を持つスターリンゴフ氏は2024年、マネーロンダリング共謀罪や、無許可送金事業の運営などの罪で懲役12年半の有罪判決を受けている。

「ビットコイン・フォグ」は最古の仮想通貨ミキシングサービス(ミキサー)の一つであり、2011年から2021年までの10年間で120万BTC以上を移動させていた。その価値は取引時の時価で合計約4億ドル(約630億円)に相当する。

「ビットコイン・フォグ」はウェブサイトやSNSを通じてサービスを積極的に宣伝していたと伝えられているところだ。

関連記事:最古のビットコインミキシングサービス「Bitcoin Fog」、米で運営者を逮捕

米国で、仮想通貨ビットコインの資金洗浄に関わるサイトを運営していたとされる容疑者が逮捕された。同サイトは2011年から300億円以上の送金を処理していたとみられる。

開発者の訴追めぐる議論

この事件は現在、3人の裁判官からなる審理委員会に付託されており、委員会がスターリンゴフ氏の有罪判決を支持、破棄、または一部無効とするかどうかを決定する予定だ。

今回、弁護側はミキシングサービス自体は合法だとも裁判官に指摘している。しかし裁判官の一人は「確かにそうだが、ビットコイン・フォグは資金洗浄に使われていたため違法だ」と発言した。

米政府はミキシングサービスなどについて、開発しただけでは罪に問われないとの見解を示し始めているところだ。

米司法省刑事局長代理は昨年8月、「ソフトウェアが真に分散化されており、ピアツーピア取引のみを自動処理していることが証拠によって示され、第三者がユーザー資産の保管と管理を行っていない場合、その第三者に対して1960年刑法に基づく訴追は行わない」と表明している。

真に分散型の場合はミキシングサービスの開発者が罪に問われないことを示唆する内容である。しかし今回のケースで当局はスターリンゴフ氏が積極的にサービスを運営していたとして起訴していた。

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