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スイ(SUI)2025年の価格予想と将来性|特徴・取引所比較・リスク解説

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スイの成長性、投資リスク

スイ(SUI)は、米国のMysten Labsが開発した高速・低コストのレイヤー1ブロックチェーンです。独自の並列処理技術により、高い処理能力と短い取引確定時間を実現し、DeFiやNFT、ゲームなど幅広い分野でエコシステムが拡大しています。

執筆時点、TVL(預かり資産総額)が20億ドル(3,000億円)を超え、ハイパーリキッドに次ぐ規模に拡大中。現物ETF(上場投資信託)申請が米国で審査されており、機関投資家の流入期待も高まるなど注目を集めています。

この記事では、スイ(SUI)の価格動向や将来性について詳しく解説します。

💡この記事でわかること
  1. スイ(SUI)の概要
  2. VanEckの価格予想
  3. SUIのおすすめ取引所比較
  4. スイ(SUI)の特徴・今後の注目点
  5. スイ(SUI)の買い方
  6. スイ(SUI)の投資リスク
※2024年1月〜2025年4月のJVCEA統計情報自社調べ

スイ(SUI)の概要

スイ(SUI)は、Meta(旧Facebook)のDiemプロジェクト出身のEvan Cheng氏が率いる開発会社Mysten Labsにより設計された次世代L1ブロックチェーンです。創業陣はLLVMや大規模分散システムの開発経験を持ち、これまでに株式中心で累計約3.6億ドルを調達しています(SUIトークンセールは含まず)。

特に米国発のプロジェクトとして注目されることが多く、マイクロソフトとのデータ連携をはじめ、企業導入のサポートが活発に行われています。また、トランプ一家が関与するDeFiプロジェクト「WLFI」のポートフォリオにもスイが組み込まれる動きもあります。

仮想通貨SUIの基本情報

        
項目 データ
発行上限(流通量) 100億(35億)SUI
メインネット開設 2023年5月3日
技術的特徴 DPoS、Move言語
過去最高値 5.3ドル(782円)
:2025年1月7日
価格 3.3ドル(485円)*
時価総額 115億ドル(14位)*
同セクターTOP銘柄
時価総額比較
ETH 約5,670億ドル
SOL: 約1,000億ドル
預かり資産総額(TVL) 2億ドル*
累積アクティブアカウント数 1億9400万件*
*2025年9月1日時点のデータ:コインマーケットキャップ、DeFillama、SuiVision、Sui公式サイト

特徴・性質(トークノミクス/手数料モデル)

Suiのトランザクション手数料(ガス代)は基本的にバリデータやステーカーに分配されバーンされません。ただし、ストレージ手数料の扱いは異なり、不変データに支払われた分は永久にバーンされ、可変データ分も存在する間は市場から凍結されるため、結果として循環供給が減少します。

Vaneckのスイ価格予測

ビットコインやイーサリアムETFの発行体として知られる大手資産運用会社VanEckは、2025年1月付けのレポート『Sui vs. Aptos: Competitive Analysis and Price Prediction』で、2025年末までにSUIが約16ドル(約2,350円)に到達すると予測しています。

考え方は、「ブロックチェーン基盤(SCP)の市場規模」が約1.1兆ドルまで拡大すると仮定し(米国のM2マネーサプライとの相関性に基づく試算)、その中でスイが約5.5%のシェアを確保するというものです。 その結果、Suiの時価総額は約610億ドル(約8.9兆円)となり、年末の流通を約38億枚前後と見込むと、1枚あたり約16ドルに相当します。(詳細は注記1)

出典:Vaneck

実需データでも、(レポート発行時)過去1年間の手数料収入はAptosの約6倍(約1,000万ドル)を記録し、TVLや取引量も拡大しています。こうしたファンダメンタルズの積み上がりが、上記の価格見通しの根拠として評価されています。

注記1:レポート本文には「2025年1月時点で30億枚がアンロック」とありますが、価格は時価総額÷流通枚数で決まります。16ドルという水準は、年末の流通を約38億枚前後と置くと整合します。なお、2025年8月時点の実勢の流通は約35億枚です。月次アンロックで流通が積み上がる前提を織り込んだ試算といえます。
注記2(参考):VanEckはMove系全体で約6.5%、その内訳としてSui約5.5%+Aptos約1%という想定を示しています。VanEckはSUI/APTにポジションを保有しています。
※本記載は情報提供であり、投資助言ではありません。流通枚数やアンロックスケジュールは変動しますので、最新情報をご確認ください。

SUIの国内取引所比較

投資を検討する際は、まず信頼できる国内取引所を選ぶことが大切です。そのためには、取扱銘柄数や各種手数料などを比較し、自分のニーズに合った取引所を選びましょう。以下では、SUIを取り扱っている主要な国内取引所をご紹介します。

スイ(SUI)取引所の特徴早見表

おすすめ
取引所
おすすめ
ポイント
取引所手数料
(SUI参考)
入金手数料 出金手数料 出庫手数料
(SUI参考)
備考
1
仮想通貨取引所 bitbank
ビットバンク
国内アルトコイン
取引量No.1**
Maker:-0.02%
Taker:0.12%
(25年9月11日まで
手数料無料)
無料 550円(3万円未満)
770円(3万円以上)
0.2 SUI *2024年1月〜2025年4月
のJVCEA統計情報調べ
2
OKJ
OKJ
出金・出庫サービス
24時間365日
即時処理
Maker:~0.07%
Taker:~0.14%
VIP割引あり
無料 400円~1,320円 0.5〜3 SUI *30日間の取引量100万円未満
Lv1の場合
3
仮想通貨取引所 bitpoint
ビットポイント
各種手数料
無料
無料 無料 月1回無料
(2回目以降は330円)
無料

スイ(SUI)の特徴・今後の注目点

ETFの承認期待

米国でSUIの現物ETFの申請が進行しており、仮に承認されれば機関投資家などからの大規模な資金流入が期待されています。現在、米投資会社カナリー・キャピタルとスイスの21Sharesが申請し、いずれもSEC(米証券取引委員会)の審査段階にあります。

ETF(上場投資信託)の利点は、米国の証券口座から株と同様にSUIを取引できるようになること。流動性や信頼性の向上、長期的な成長基盤の強化につながる可能性があります。

エコシステム急成長

出典:DefiLlama

スイのネットワークは急成長しており、2025年8月時点にTVLは20億ドル近くを維持しチェーンでは9位にランクイン。トランザクション数も1日あたり1,500万件以上を維持するなど、継続的な利用拡大が示されています。

機関投資家からの関心も高まっています。2025年8月には米大手運用会社グレースケールの投資信託にスイエコシステムの「DEEP」と「Walrus」が採用され、スイ経済圏が金融・データ基盤として評価されています。

関連:スイ(Sui)関連銘柄DEEP・WAL、グレースケール投資信託に初採用

ビットコイン金融(BTC-Fi)で突出

スイでは近年、BTC-Fi金融が発展しており、BTC系TVLはスイのTVL全体の約10%(2億ドル)にまで成長しています。背景には、「BTCを貸す・増やす・トレードする場所」をスローガンに、WBTCやLBTCなど、ビットコイン(BTC)担保資産の運用先として、高利回りのリワード(報酬)設定を含め、色々なアプリケーションを誘致しています。

その他、Mysten Labsは、携帯型Web3ゲーム機「SuiPlay 0X1」を2025年内に発売予定で、ゲーム領域の拡大にも注力。ゲーム専用のステーブルコインの開発や、GameFi(ゲーム+金融)ジャンルのタイトル投入が計画されています。

デフレ設計による希少性向上要素

SUIは、利用が増えるほど市場流通量が減り、希少性が高まりやすい「デフレ設計」を持っています。総供給量は100億枚で固定されており、取引ごとに発生するガス代に加え、ユーザーが支払うストレージ手数料によって一定量のSUIが市場から除外されます。

ストレージファンドとは、Suiネットワーク上でデータを保存するためにユーザーが支払うストレージ手数料を積み立てる仕組みです。積み立てられたSUIはバリデータへの報酬やデータ保管コストに充てられると同時に、市場流通から外れるため希少性を高める役割を持ちます。

  • 可変データ(Mutable):ウォレット残高やゲーム内アイテムのように更新や削除が可能なデータ。支払ったストレージ手数料はデータが存在する間はストレージファンドに凍結され市場に戻らず、削除した場合のみ一部がユーザーに返還される。
  • 不変データ(Immutable):NFTメタデータや証明書のように一度作成すると削除できないデータ。支払われたストレージ手数料は永久にバーンされ、市場に戻ることはない。

過去2年間で累計約200万SUIが市場流通から除外。特にストレージファンド(Frozen=凍結)による影響が大きい。 出典:SUI

実際、過去2年間で累計約200万SUIが循環供給から外れており、特に直近6か月だけで全体の半数が除外され、ネットワーク拡大に伴って除外ペースが加速していることが分かります。

一方で、SUIはトークンのロック解除による新規供給が続いており、2030年までに年平均約2.56億SUIが市場に追加される見込みです(詳細はリスク説明を参照)。このため、デフレ設計の効果を発揮するほどに、ネットワーク利用が拡大するかどうかが重要なポイントとなります。

スイの購入方法

出典:OKJ

OKJアプリの取引所では、値動きと板の注文状況を確認しながらの指値注文と成り行き注文できます。

ただし、流動性が低いタイミングで迂闊に成行注文を用いると、予想外の価格へと上昇して約定するスリッページが生じ、思わぬ損失が出ることがあります。買い注文、売り注文の量を確認し、ておくことが重要です。

スプレッドが広い場合や板に十分な流動性がない場合、希望の価格で全ての注文が執行されない可能性があります。

例えば以下の画像のような板の場合、10,000SUIを成行注文で売りたい時には119.38~119.90の間の価格で売値が決定されます。

出典:OKJ

指し値注文の場合は、注文を出した価格で決定されますが、流動性が低いと売りが執行されるまで時間がかかることもあります。

スイ(SUI)の技術的な特徴

  • オブジェクト中心 × 静的並列実行: 資産や状態を「オブジェクト」として扱い、取引が触れる箇所を明示。衝突を実行前に検出・整列できるため、DEXなど高コンテンド下でも処理効率が高い。
  • Fast Path(超低レイテンシ支払い): 単純送金は合意形成を経ずに処理可能で、~300ms級の応答を実現。体感速度が高く、決済UXに強い。
  • Pilot Fish(水平スケール): バリデータがサーバーを横方向に増設でき、ホットスポットを分散。スループットの拡張余地が大きい。
  • ローカル手数料市場: 混雑するアプリ/プールのみ手数料が上昇し、チェーン全体の手数料高騰を回避。用途ごとのコスト予見性が高い(SLA的な取り決めも可能)。
  • Programmable Transaction Blocks(PTB): 1トランザクション内で最大1,024のコマンドを動的に分岐・同時実行。オン/オフチェーン計算を併用した最適ルーティング等が可能で、マーケットメイカーやDEXアグに有利。
  • DeepBook(共有CLOB層): チェーン共通の板流動性レイヤーを提供し、アプリ横断で深い流動性にアクセス可能。価格発見の効率向上が期待できる。
  • 料金設計(Reference Price+Priority Fee): 参照価格に優先料金を重ねる方式で、大口の板更新など高頻度オペレーションのコスト最適化がしやすい。
  • Move(Sui Move): 所有権と型による安全性を重視し、資産セーフティと予測可能な実行を両立。一般的な脆弱性(リエントランシー等)に強い設計。
  • コンセンサスとDPoS: DAG系メンポール+BFT系の合意と委任型PoSで、高スループットと低コストを両立。
  • zkLogin: Google/Apple等の一般的なOAuthを使ってSui dAppへ即時アクセスできる仕組み。Web3のUXを平易化する。ゼロ知識証明により、アドレスとOAuthアカウントの紐付けを秘匿したまま正当性を証明し、2要素+Saltで乗っ取り耐性を強化。

ゼロ知識証明とは

「秘密そのものは開示せず」、その秘密が真であることだけを示す暗号技術。本人性や属性の検証を、プライバシーを守りながら可能にします。

スイ(SUI)の投資リスク

SUI財団と韓国規制当局の係争

2023年末に、韓国の金融監督院がSUI財団によるステーキングされたトークンの売却疑惑について調査を開始しました。SUI財団はこの疑惑を否定しており、透明性を強化するため、今後トークンのリリーススケジュールを公開する計画です。

価格変動と市場の影響

スイの価格変動には、大口投資家の影響が大きく反映されています。個人投資家にとっては、ユーザーベースやアクティブアドレス数などの指標を注視し、エコシステム全体を総合的に評価することが重要です。

競争環境と市場の動向

スイがイーサリアムを中心としたスマートコントラクト市場でどれだけシェアを獲得できるかは不透明です。競合プロジェクトであるトン(TON)やアバランチ(AVAX)の動向、さらに米国でETF申請が進行中のソラナ(SOL)やアプトス(APT)もスイの市場シェアに影響を与える可能性があります。

集中化リスクとトークンのロック解除

SUIの総供給量は100億枚に固定されていますが、まだその一部しか流通していません。今後のアンロックスケジュールによって、市場に追加供給される点がリスク要因となります。

  • 2025年8月時点の流通量:約35億枚(全体の35.1%)
  • 2030年時点の予測流通量:約47.8億枚(全体の47.8%)
  • 5年間での新規供給:合計約12.8億枚
  • 年間平均インフレ量:約2.56億枚
  • 年間インフレ率:約7%(2025年の流通量比)

ストレージ手数料によるバーンやロックで一定の抑制効果はあるものの、現状ではアンロックによる供給増(インフレ要因)の方が大きく、短期的には売り圧力が高まりやすい状況です。したがって、Suiのデフレ設計が市場で効果を発揮するかどうかは、ネットワーク利用の拡大や企業や投資ファンドの買い入れによって需要がどこまで供給増を吸収できるかにかかっています。

出典:Sui Foundation

※2024年1月〜2025年4月のJVCEA統計情報自社調べ

記事の監修

各務 貴仁各務 貴仁
株式会社CoinPost 代表取締役CEO、株式会社SUDACHI Tech 代表取締役、一般社団法人WebX実行委員会 理事。
2017年に日本最大(2024年現在)の暗号資産・Web3メディアCoinPost、2023年よりグローバルカンファレンスWebXを立ち上げる。また、次世代テックを活用した福祉事業Wave3やWeb3に特化した開発支援事業SUDACHI Techも展開する。
2024年には、経済産業省「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」にて有識者委員として選任される。

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