米バージニア州議員、マイニングなど仮想通貨の権利を保護する法案提出
仮想通貨取引やマイニングする権利を保護
米バージニア州のサダム・アズラン・サリム上院議員は9日、市民が暗号資産(仮想通貨)を取引したりマイニングする権利を保護する法案を提出した。
州上院はこの法案について審議中であり、可決されれば次は代議院(州下院)に送られることになる。
この法案はバージニア州の法律に仮想通貨に関する追加条項を導入し、市民に主に以下の権利を保証するとしている。
- 仮想通貨で商品を購入する権利
- ブロックチェーンで仮想通貨を送信・取引する権利
- セルフカストディで仮想通貨を保管する権利
- ノードを実行する権利
また、仮想通貨のマイニングを行ったり、他の人々のためにマイニングやステーキングサービスを提供する者は、特定の取引を検証したというだけで、その取引に関する責任を負うものではないとの内容も盛り込んだ。
さらに、マイニング活動に従事する個人や企業に送金ライセンスの取得を免除することを提案している。税金については、個人が仮想通貨による商品・サービス購入に関するキャピタルゲインから、取引ごとに最大約3万円(200ドル)を控除できるようにすることも提案している。
その他、州当局に対して「ブロックチェーン技術、仮想通貨マイニング、および仮想通貨活動に関する研究を行い、州に勧告を行うためのワーキング・グループ」を招集するよう求めている。
バージニア州では、これまでも仮想通貨を後押しする法案が導入されてきた。2022年には、州内の銀行による仮想通貨カストディサービスを認める超党派法案が成立している。
カストディとは
投資家の代わりに資産を保有・管理することを指す用語で、仮想通貨以外の資産にも広く使われる。資産の保管や売買に係る決済、また元利金・配当金の受領や議決権行使など、幅広い業務も代行可能。カストディを行う企業を「カストディアン」と呼ぶ。
▶️仮想通貨用語集
「サトシ・アクションファンド」の活動
ビットコイン支援団体「サトシ・アクションファンド」の共同創設者兼CEOのデニス・ポーター氏は、仮想通貨を保護する法案の提出についてサリム議員に感謝するとXに投稿した。
サトシ・アクションファンドは、ミズーリ州、ネブラスカ州、インディアナ州などで提出された他の仮想通貨保護法案の支援を行ってきた。ポーター氏は、最大13の州でこうした法案を可決することを目指すと述べている。
ビットコインなど仮想通貨にアクセスして使用する自由を、州レベルで擁護していくことが目的だとも説明した。
特に、連邦上院のエリザベス・ウォーレン議員による、マイニングの権利を制限しようとする試みに反対しているとも述べている。ウォーレン議員は2023年5月、マイナーなどに銀行機密法による義務を課す法案を提出していた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します