600万円台を割り込んだビットコイン、さらなる一段安に警戒|bitbankアナリスト寄稿
今週1/20(土)〜1/26(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
1/20(土)〜1/26(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は上値の重い展開となり、今年初めて節目の600万円を割っている。
週明けのBTC相場は中国の経済指標の下振れを受けたアジア株式市場の下落に連れ安となると、見切り売りも入り下げ足を速め、600万円割れを試す展開で始まった。
さらにこの日の米時間には、FTXが10億ドル相当のGBTC(グレイスケールの現物ビットコインETF)を売却していたことが発覚し、590万円を割る展開となった。
翌23日の東京時間には、BTCは自律反発の様相で590万円を回復したが、4万ドル水準で戻り売りが入り、一時は580万円をも割り込んだ。
一方、週前半の相場下落でドル建てBTCは昨年11月高値38,400ドルで反発に転じると、米株の上昇を味方にBTC円は4万ドル水準となる600万円近辺まで回復。その後は景気の底堅さを示す米経済指標が相場の重石となりつつも、GBTCからの資金流出が減速したことが好感され、節目の水準を挟み込み揉み合いに終始している。
一時は4万ドルを大きく下回る場面もあった今週のBTCだったが、CMEの窓埋めを完了すると4万ドル周辺に戻した格好だ。テクニカルの側面では、一目均衡表の雲下限と100日移動平均線(ma)をギリギリで維持している状況となっており、これらのテクニカル的なサポートを割ればBTCは下値を模索する展開が視野に入る(第2図)。
今週は第四・四半期の米GDP成長率速報値が3.3%と市場予想を大きく上振れた他、個人消費の底堅さが示されたが、同期間の個人消費支出(PCE)価格指数は1.7%と前期の2.6%から低下し、インフレが順調に鈍化していることが示された。
こうした強弱入り混じる結果を受けてBTCは方向感を示すことに失敗しているが、26日には12月分のPCE価格指数の発表を控えており、結果次第では相場が上述のサポートを割る展開が想定される。
実際、12月分の消費者物価指数(CPI)や小売売上高は市場予想を上回る結果となっており、PCE価格指数も同様に強目にでる可能性があるか。
目先の下値目途としては、昨年11月に相場のレジスタンスとなった38,000ドル(約561.7万円)や、ボリンジャーバンドの-2σ(37,800ドル≒558.7万円)あたりが妥当と見ている。
また、12月分の経済指標が強目に出たことで、昨年末まで慎重姿勢を強めていた米連邦準備理事会(FRB)が来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で改めて市場の早期利下げ観測を牽制してくる可能性も指摘され、BTC相場の一段の調整には警戒しておきたい。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:ビットコインは方向感欠ける展開、上値は重く下値余地も限定的か
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