「ビットコインに短期的な上昇スパイラルの可能性」ブルームバーグアナリストが指摘

ビットコイン現物ETFの影響

ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、米国で1月に承認されたビットコイン(BTC)現物ETFへの需要などにより、短期的にビットコインの上昇スパイラルが起こる可能性があると述べた。

バルチュナス氏は、このように見る理由を次のように説明している。

ビットコインは希少な資産であり、多くの人はただホールド(保有)しているだけで取引する人はそれほど多くない。そのため浮動株(市場で流通する可能性の高い株)はかなり少ない。

ETFにより需要が増えるほど、浮動株がそれによって動く。そして、動かされる浮動株の量が増えるほど、価格が上昇し、より多くの需要が生まれるだろう。

一方でバルチュナス氏は、ビットコイン現物ETFが、現在の資金流入水準を維持できるかどうかについては慎重な見方を示した。

もし現物ETFへの流入が現在のペースで続けば、年間で約1,500億ドル(約23兆円)となる。これは、当初バルチュナス氏が予測していた流入上限額100億~150億ドル(1.5兆~2.3兆円)の10倍となり、それは考えにくいとする格好だ。

同氏はまた、ビットコイン価格の上昇がずっと持続はせずに、調整局面が訪れる可能性もあると意見した。

ビットコインETFとは

ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。

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IBITへの流入が加速

バルチュナス氏は2月28日に、9つのビットコイン現物ETFは過去最高の約60億ドル(約9,000億円)の取引高を記録したと指摘。ブラックロックのIBITが首位で33億ドル(約4,950億円)となり、2位のフィデリティが14億ドル(約2,100億円)を記録して、いずれもこれまでの最高記録の倍になった形だ。

また、現在IBITほどの速さで資金流入を獲得しているETFは、世界でも少ないだろうと続けている。

IBITの運用資産総額は28日時点で約90億ドル(約1兆3,500億円)で、もうすぐ100億ドル(約1兆5,000億円)に達する可能性があるが、7週間でその額に達すれば、史上最速になるとも述べた。

比較すると、GLD(SPDRゴールド・シェアーズ)が100億ドルに達するまで2年かかり、VOO(Vanguard S&P 500 ETF)は3年かかったとしている。

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