米マイニング企業マラソンデジタル、2023年は過去最高益に
通年で約580億円の収益
米ナスダックに上場するビットコイン(BTC)マイニング企業マラソン・デジタル(Marathon Digital Holdings )は2月28日、2023年第4四半期(10~12月)の決算発表を行った。
2023年の収益は前年から229%増加し、過去最高の3億8,800 万ドル(約583億円)に達している。また、ビットコイン生産量も前年から210%増加し、過去最高の12,852 BTCとなった。
マラソンのフレッド・ティール会長兼CEOは、次のように説明している。
2023年には、ハッシュレートが253%増加して24.7 EH/s(エクサハッシュ/毎秒)になった。フリート効率が21%向上し、テラハッシュあたり24.5ジュールになった。
また、ビットコインマイニング施設を総容量900メガワット以上に拡大し、3大陸の11の異なる施設に分散している。
なお、エクサハッシュとは1秒間に100京回のハッシュ計算ができる能力で、テラハッシュは1秒間に1兆回のハッシュ計算ができる能力のことだ。
ティール氏は、2024年にはハッシュレートを約35~37エクサハッシュに増やし、2025年末までには、現在の生産能力の約2倍である50エクサハッシュに到達する見込みだと続けた。
マラソンはビットコイン生産の大部分を米国で行っているが、昨年にはアブダビとパラグアイにも進出した。これからは中東、アフリカ、ラテンアメリカなどの場所でさらにビジネス機会を探索していく計画である。
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ハッシュレートとは
マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。
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半減期に事業拡大のチャンス
ティール氏は、1月31日時点で、マラソンのバランスシートには現金とビットコインを合わせて10億ドル(約1,500億円)相当が存在しており、半減期後を見越して、機会があれば事業拡大に使うことを考えているとも述べた。
現金3億1,900万ドル(約480億円)、ビットコイン15,741枚を保有している格好だ。半減期には、マイナーの報酬が半減するため、マイニング業界内の競争が激化する可能性がある。
マラソンのサルマン・カーン最高財務責任者は、半減期には「非効率な事業者」が淘汰される可能性があり、これがマラソンの市場シェア獲得に役立つことを見込んでいると話した。
他企業を買収するなどの可能性を見据えていることを窺わせる発言となった。
マラソンはマイニング事業以外にも取り組んでいるところだ。2月28日、ビットコインのレイヤー2ネットワーク「Anduro」をローンチするとも発表している。
マルチチェーン対応のコミュニティ主導型プラットフォームであり、マラソンはすでに機関資産トークン化のためのイーサリアム(ETH)互換チェーン「Alys」とオーディナル・コミュニティ向けのUTXOスタック「Coordinate」という2つのサイドチェーンを開発している。
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半減期特集
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