中国仮想通貨マイニング業者撤退の実態を中国大手メディアが報道

中国仮想通貨マイナーの苦境
仮想通貨の長期的かつ大規模な価格下落を受け、中国ではマイニング事業から撤退するマイナーも続出している。今回はそうしたマイナーの方の現状を紹介する。
販売・修理業者の現状
苦境に立たされているのはマイナーだけではない。マイニングマシンを取り扱う販売業者・修理業者も厳しい現状にあるようだ。

中国マイニング事業の現実

現在の仮想通貨相場が下落期にある中で、最新マシンの公開、マイニングシェアの拡大などで年初より急激にハッシュレートとディフィカルティは上昇の一途をたどっていた。

出典:bitcoinwisdom.com

しかし、再度今年の底値付近である1BTC=6000ドル付近に迫った現在、一時的にデフィカルティとハッシュレートの停滞が見られている。

このデータから、一時的に収益の採算が取れていない状況が起きている可能性がしてきされていたが、中国の大手仮想通貨メディア『8BTC』が、実際にマイニング大国中国で仮想通貨マイニングを行う中国マイナーの現状を報道した。

事例1

Li氏というマイナーは、仮想通貨がもっとも価格を高騰させた2017年の後半から、数十万元(10万元は約160万円)をマイニングマシンの購入に費やしたと話している。

当時、同氏は努めていた金融事務所もやめ、マイニング事業に専念したという。

多くの投資家と同様、Li氏もビットコインのマイニングで早く簡単にお金を稼げればと考えていたのだ。

しかし、ほとんどの主要通貨は見事に価格を落とし、特にNxtやQtumといった通貨に関しては今年の1月から比較して99%もの下落を見せた。

こうした価格の下落を受けてLi氏は以下のように述べた。

6月の半ばまでに、私のマイニングでの収益は90%も減り、アルトコインに特化してマイニングを行なっていた友人などもその利益をほとんどすべて失っている状況になった。

経済的な打撃を受けたのち、Li氏はマイニングファームを閉じざるを得ない状況となり、電子機器の中古販売プラットフォームに広告を出してマイニングマシンを売ろうとしたという。

しかしここでもLi氏は買い手の獲得に苦労する。そのマイニングマシンは高価で、広告を投下してから3ヶ月経った今でもほとんど買い手が見つかっていない模様だ。

同氏によれば買い手が見つかったのはこれまでたったの2台で、価格は700元(約11300円)にしかならなかった。

さらに地元の他の電子機器買取業者に買取依頼を試みた際には、買取を断られてしまったという。

当時マイニングマシンを購入した際は、非常に需要の高い状況にあり手に入れづらかったが、現在では使い道のない鉄くず同様だと同氏は述べた。

Li氏のほかにもマイニングで苦渋を舐めた人はいるとされる。

同じく中国でマイニングを行なっていたMa氏も、仮想通貨の下落相場の影響でマイニングファームを閉鎖したそうだ。

事例2

同報道によれば、もう一人の取材対象者=Ma氏は自身のマイニングマシンを4台ほど売ったが、いずれも850元(約13500円)にしかならなかった。要するに買った時よりも売値が低かったという。

マイニングマシンの価格の明らかな下落について、Ma氏によれば、2018年のはじめに導入した1チップあたり10TH/sという性能のマシンが、現在では1000元(約16000円)で取引されているという。

そして、マシンは当然のように新しい技術を搭載し、最近のマシンは以前に比べてより少ないパーツで構成され、旧来のモデルの中古製品よりも安く新品で購入できるようになっているという。

昨年仮想通貨価格が跳ね上がったとき、マイニングマシンを売る店は、深センの電子機器の中心地である華強北ではそこら中にみられたという。

深センで電子機器店を営む方はこうコメントした。

マイニングマシンは今では全て30%オフで販売している。2個以上お買い上げであれば、さらに値引きをして高性能なケーブルやその他のアクセサリーも無料でつけるようにしている。

また別の電子機器の修理店ではこのようなコメントが返ってきた。

マイニングマシンの修理店や中古販売店、そしてマイナーはグラフィックカード(GPU)の中古価格の強烈な下落に苦しめられている。私たちは無料で引き取れるリサイクルでも中古パーツを回収しなくなっている。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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