半減期近づくビットコイン、相場の上方ブレイクアウトにも期待|bitbankアナリスト寄稿
今週3/30(土)〜4/5(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
3/30(土)〜4/5(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は上値の重い展開で始まり、一時は1000万円周辺まで押したが、週後半からは戻りを試す展開となっている。
週明けのBTC円は1080万円周辺から小甘い推移で取引を始めると、ロングの投げを伴って1050万円まで下落。その後も3月の米製造業PMIの上振れを受けて1050万円下抜けを試す展開となると、翌4月2日東京時間に出来高の増加を伴って1020万円近傍まで急落を演じた。
2日の米国時間には、米政府がシルクロードから押収したBTCの一部がコインベースに送金されたと報じられ、相場は一時1000万円を割り込んだが、安寄りした米株が上昇したことでBTCも何とか下げ止まった。
週央からのBTC円は売り一服感から徐々に戻りを試すも、ドル建てBTC相場が2日に割り込んだ上昇トレンドラインがレジスタンスとなり、上値は限定された。
しかし、4日に発表された米新規失業保険申請件数が前週から悪化すると、BTCは上値を追う展開に転じ、モルガン・スタンレーがビットコインETFの取引を提供する予定との報道もあり、一時は1050万円まで戻した。
この日は米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、年内に利下げを開始しない可能性に言及し、米株が急落を演じたが、BTCはその後も比較的底堅く推移している。
4日の米株の急落は、シリアにあるイランの大使館がイスラエルによるとみられる攻撃を受けたことによる中東情勢の緊迫化、及び原油価格の急騰も背景にあると言える。
こうした地政学リスクの台頭でリスク資産には向かい風となったが、米国債に買いが入り利回りが低下したことでBTCの下値は限定された格好か。
ただ、FRBの利下げ後ろ倒し懸念が燻る中、原油価格の上昇はインフレ再燃を招く可能性が危惧され、中期的に利下げ開始のタイミングが一層読みにくくなるというリスクも出てくるか。
こうした中、5日には米労働省が発表する3月の雇用統計がある。市場予想では+20万人の非農業部門雇用者増加となっており、昨年11月ぶりの低水準となることが見込まれている。
3日にADPが発表した雇用報告では、月間の雇用者数は+18.4万人と、同社のデータでは昨年7月ぶりの高水準という結果になったが、労働省とADPの雇用者数データは逆に出やすいというジンクスも昨今では確認され、どちらかと言えば5日の雇用統計はBTC相場の味方になると見ている。
BTC相場は3月14日に高値をつけてから三角保ち合いを形成しており、時間論的にはいつブレイクアウトしてもおかしくないと言えよう。足元では現物ビットコインETFへの資金フローも安定し始め、半減期も近づいてきている。
また、BTC先物の資金調達率も中立と言える水準まで低下しており、相場の上方ブレイクアウトが期待できるか。
関連:bitbank_markets公式サイト
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