ビットコイン価格停滞に厚い上値抵抗線、ネム(XEM)はアセトラ形成で上抜けか|仮想通貨市況
- 仮想通貨は停滞気味
- 仮想通貨市場は、先週末から続く、依然として値動きのない停滞気味の相場を継続させた。その中でも上昇に転じたXEMは、アセトラを形成し、レジスタンスラインであった0.1ドルラインを抜けたことで、一時的に価格が上昇に転じた。
仮想通貨市場は22日、ビットコインの値動きは週末から本日に至るまで、大きな相場変動は見られず、静かな相場が続いている。
チャートの目線としては、上値が限定的な上、数ヶ月間抜けられていない週足の抵抗線となる画像内にある斜めの黄色ラインは、かなり厚く、重要ファンダが見られないと上抜けは厳しいかもしれない。
価格変動率が低くなっている中で、動くポイントの一つとして、10月27日のCMEのビットコイン先物SQが控えており、右肩上がりに上昇しているCMEの先物取引高をみると、注目される可能性は大いにあるだろう。
なお、価格変動率下落を受け、ボラティリティ指数が低下、CryptoCompareの7日間ボラティリティチャートでは、過去最低レベルを記録した。
また、仮想通貨関連サイトのICODropsはツイッターにて、年初から上値を切り下げて推移したビットコインに比例して、市場の関心を示すGoogleトレンドとBTC出来高も減少傾向にあることを指摘した。
ボラティリティだけでなく、多くの指標でビットコインが「停滞期」に置かれていることが示唆されている。
ニュースメディアを運営している上で、肌で感じるのは業界ニュースの少なさだ。
大きな動きとして、ICEのBakktなど大きなニュースこそ控えているが、日本の金融庁なども主導する規制の行先を見守る企業は多くいるだろう。
取引所ライセンス登録待ちの企業も100社を超えるなどその注目度こそあるものの、仮想通貨特有のリスクから包括的な規制がまだできていない状況下では、法の元運営を行う大手企業参入も自ずと停滞気味になってしまう。
そのような観点から考えると、ターニングポイントとして、日本の自主規制団体の認可は重要であり(自主規制案の施行タイミング)、貿易摩擦で一時停滞しているG20などでの、世界的な仮想通貨規制案の取りまとめは重要性を増していると言える。
動きが見られるアルトコイン
相場全体の停滞の中でも、動きがある通貨も見られているので、注目の通貨を複数紹介。
XEM
ネムの相場は、アセトラ(アセンディングトライアングル)を形成し、レジスタンスラインであった0.1ドルラインを抜けたことで、一時的に価格が上昇に転じた。
アセンディングトライアングルとは、高値は切り上げていないが、安値は切り上げているチャートを指す。
投資家目線では、ネムの0.1ドルラインを重要視するため、明確に0.1ドルを抜け、更なる上昇を見せることでトレンド転換の可能性も高まるが、仮想通貨市場全体的な相場が芳しくないことも含め、不安定な相場であることは間違いない。
また、XEMはファンダメンタルズ要因も複数見られている。
1、ネム(XEM)とCLOAKCOINが新たにパートナーシップを提携を発表。
2、ネムはオーストラリアのメルボルンにブロックチェーンハブを設置。
Blockchain hub opens in Melbourneまたもう一つの好材料として今週末フィリピン商工会議所が主催したビジネスカンファレンスでNEMのアドバイザーJeff McDonald氏がブロックチェーン技術について説明する動画が人気を博している。
フィリピンにおいて現在ブロックチェーンや仮想通貨は政府側からも認められつつあり、フィリピンにおける業界のさらなる発展が期待される為、人気は頷けるだろう。
ネムは9月頃からの良ファンダが続いており、ネムの価格上昇を後押ししているのは明らかだ。
しかし、市場全体が地合いが悪い中で、トレーダー心理を考えると、0.1ドル(約11円)以上に維持することは簡単ではないと思われる。
今後数ヶ月で、さらにニュースが続き、さらなる成長が見込めることを願いたい。
QTUM
年初から大きく下落していたQTUMだが、ここ数日相場は上昇に転じ、本日も上場を継続させ、堅調な相場を維持した。
この上昇の背景には、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の中国部門がQtum(クアンタム)ブロックチェーンを利用する意向を発表したニュースがある。
AWSは、Qtumとの提携によって「サービスとしてのブロックチェーン」ソリューションの開発促進を目的にしている。
この提携に先立ち18年7月、クラウドアプリのオンラインストアのAWSマーケットプレース上での提供は行われており、全面的な技術協力の動きは4月より協議が重ねられており、ついに実現に至ったようだ。
Ravencoin (RVN)
Ravencoinは、一週間でで200%近い高騰を記録、地合いが悪い中で時価総額を60位まで上げたことで注目を集めた。
Ravencoinの高騰の背景には、仮想通貨最大手取引所Binanceが上場ポリシーを変更後初めて上場手数料の公開と共に行われた上場発表がある。
コミュニティプロジェクトであり、CZ氏が信頼感を示したことも大きな後押しとなったが、この取引所の上場インパクトの恩恵を大きく受けているといえる。
18時時点でのRavencoinの出来高の85%をBinanceが占めていることを見ても、その効果は明白だが、特にBinanceやBittrex上場以前から比較すると、出来高は230倍近くまで上昇しており、まさに出来高先行の相場を形成していると言えるだろう。
また、メインネット移行という大きなファンダメンタルズ要因を10月後半に控えるなど、期待感も増す状況がその相場を更に後押しした。
また、Binanceの上場インパクトに関する分析結果も公開された。相場の地合いが良くなるとより、出来高が増加する傾向があり、個別ファンダも効きやすい地合いになることが予想される。
Binance上場データの簡単な概要は、以下の通りだが、その内容はチェックしておきたい。
上場発表の影響は大、しかし短期的に反落
上場発表後から7日間は下落傾向
長期で見た場合は、影響度が2極化
上場廃止の影響は大
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します