ヒマラヤのブータン王国、半減期に備えビットコイン採掘能力を6倍増強へ

ビットディアと提携して採掘能力拡大

ヒマラヤ山脈に位置する小さな仏教王国ブータンは、ナスダック上場ビットコイン(BTC)マイニング企業Bitdeer(ビットディア)と提携して、マイニングに使う電力容量を6倍に増強する。ブルームバーグが5日に報じた。

この4月にビットコインが半減期を迎えることに備えて、最先端のマイニングマシンへの投資を行う格好だ。

ブータンの政府系投資ファンドDruk Holding & Investments(DHI)がビットディアと提携し、2025年上半期までにブータンの採掘能力を現在の100メガワットから600メガワットまで増加させる。

ビットディアのMatt Linghui Kong最高ビジネス責任者によると、この費用は2023年5月に調達が始められた5億ドル(約760億円)のファンドによって賄われる。Kong氏は、今年7月までには資金全額を確保できる見込みだとした。

このファンドの目的は、ブータンの豊富な水力発電資源をマイニング事業に電力供給するために活用することだ。統計データサイト「グローバルノート」によると、2022年時点でブータンの水力発電割合は世界第一位。電力の99.99%を水力でまかなっている。

DHIのUjjwal Deep Dahal CEOは、500メガワットを追加することでマイニングのコストが削減され、計算効率が向上すると話した。

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半減期とは

ビットコインなど仮想通貨のマイニング報酬(=新規発行量)が半分に減るタイミングを指す。仮想通貨にはインフレを防ぐために「発行上限」が定められているものが多く、一定周期で訪れる半減期の度に、新規発行量が半分に減る仕組みになっている。供給量が減ることで希少価値が大幅に上昇し、価格が高騰しやすくなるため、仮想通貨特有の注目イベントでもある。

▶️仮想通貨用語集

2019年よりビットコインマイニング

ブータンは、2019年にビットコインの価格がまだ約69万円だった時点でマイニングを開始している。近年の若者の失業率の上昇、仕事を求めて国外へ人口が流出するなどの経済的問題も背景にある。

ブータンの政府系投資ファンドDHIは、マイニングの他に仮想通貨取引も行ってきた。

2022年に仮想通貨レンディング企業セルシウスが破綻した後、政府系投資ファンドDHIが2022年4月から6月にかけて、ビットコイン、イーサリアム(ETH)などの入金、引き出し、借り入れを多数行っていたことが明らかになっている。

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メタバース構築も

DHIは2023年、ブロックチェーンゲームThe Sandbox上にブータンをテーマとしたメタバース(仮想世界)「Bhutanverse(ブータンバース)」も構築している。メタバース企業Smoblerと提携して実現した。

この際The Sandboxのセバスチャン・ボルジェ最高執行責任者は、ブータンバースは、ブータンのクリエイターに力を与え、文化的アイデンティティを世界に示しながら才能を収益化する機会を提供すると述べていた。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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