米ナスダック:ニュース配信サービスに関する「ブロックチェーン特許」を取得
- 米ナスダックが「ブロックチェーン特許」を取得
- 安全に情報共有可能なニュース配信に向け、ナスダックがブロックチェーン特許を取得した。スマートコントラクトを用いることで、特定の時刻に特定の対象者へ直接情報を届けることもできる。
米ナスダックが「ブロックチェーン特許」を取得
米国証券市場システム「ナスダック」は23日、安全で確実なニュース配信に向けた「ブロックチェーン特許」を取得した。この特許は、プレスリリースや規制執行など、リリース時間が極めて大切になる情報について、ブロックチェーン技術を利用することで安全かつ確実に開示するというものだ。
2016年には、ニュース配信企業「MarketWired」を買収しており、ナスダックの自社顧客にもニュース配信サービスを提供している。
米国特許商標庁により公開された文書によると、ニュース配信サービスで利用されている既存プラットフォームでも、特定の時間に特定の情報を開示することは可能だ。
こういったプラットフォームは通常、Webベースのシステムで出来ており、近年は暗号化機能や情報へのアクセス制御、配布情報の編集・レビュー・承認等のワークフローなど様々な機能が追加されている。
問題解決手段にスマートコントラクト
一方で、既存プラットフォームは監査証跡を追いづらい、または全く証跡が残らない問題を抱えているほか、様々な機能が追加されたことでシステムが複雑化し、エラーが発生しやすいという問題も抱えている。
これらを解決するため、ナスダックが新たに取得した特許は、スマートコントラクトを使用することで、情報リリースのプロセスをシンプルかつ安全に変えるものだ。
この特許では、スマートコントラクトを用いることで、設定された時刻に選択された対象者に対し、直接情報を届けることができるようになる。情報はブロックチェーンに格納され、アクセスには複数の秘密鍵が必となる「マルチシグ」が用いられることもある。
さらに、編集、変更、承認といったワークフローもブロックチェーン上に残るため、情報公開にいたるプロセスが追えるようになるという。
ナスダックは、今年6月にも証券担保の効率化に関する概念実証(PoC)を成功させ、関連するブロックチェーン技術の特許を申請している。
仮想通貨取引所としての参入も検討
なお、ナスダックのCEO「Adena Friedman」氏は、CNBCの番組Squawk Boxにてインタビューを受け、どの程度の時間がかかるかは不明ながら、仮想通貨の将来は確約されていると主張、「市場が十分に成熟した場合、仮想通貨取引所としての参入も検討する」と言及するなど、仮想通貨業界に対する肯定的な姿勢を明確にしている。画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します