FTXが再建計画書提出、すべてのユーザーに100%以上弁済の見込み
債権者への返済に2兆円を準備
破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは7日、米国の破産裁判所に再建計画書の修正版を提出したと発表した。FTX債権者の98%が、請求額の少なくとも118%を現金で受け取れるとしている。
また、元ユーザーやその他債権者に支払うために準備できる資金は145億ドルから163億ドル(約2.2~2.5兆円)になる見通しだ。
FTXによると、請求額が5万ドル(約776万円)以下の債権者については、裁判所の承認を得たのち、顧客身元確認プロセスを経て、2か月以内に請求額の約118%を受け取ることになると予想されている。
その他の債権者は、認められた請求額の100%、および投資の時間価値(時間の経過による資産増減)に対する数十億ドルの補償金を受け取れる見込みだ。
今回の計画書は、米内国歳入庁や米商品先物取引委員会(CFTC)、司法省などとの和解を踏まえたものである。例えば内国歳入庁との間では、FTXへの税金請求よりも先に、債権者への全額支払いの方を優先させるという合意案で同意した。
FTXの資産整理を行うジョン・レイ3世CEOは、次のようにコメントしている。
破産債権額の100%と、債権者への利息返還を実施する計画を提案できることをうれしく思う。
FTXは、様々な資産を収益化することで、この弁済のための資金を確保した。大半は、姉妹会社のアラメダリサーチやFTXベンチャーズの事業が保有する投資資産だった。訴訟によって取り戻した資産も含まれている。
こうした動きの一環としてFTXは最近、2,500万~3,000万のソラナを約19億ドル(約2,950億円)相当の割引価格で売却した。これらのトークンは4年間ロックアップしておく必要があることから割引された形だ。
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FTXとは
サム・バンクマン=フリード被告が率いていた仮想通貨取引所。2019年の創設後、急速に頭角を表し、業界最大手バイナンスに次ぐ大手取引所へと成長していた。その後に経営破綻し、破産申請を行なっている。
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仮想通貨での返済望む声も
FTXのサム・バンクマン=フリード前CEOは3月、米国地方裁判所の判事より懲役25年の判決を言い渡された。
判決前には、元ユーザーが苦境を陳述する書簡を裁判所に提出。仮想通貨資産について2022年11月時点での現金相当価値しか受け取れないことについて不満を表明する書簡も存在した。仮想通貨での返済を求める形だ。
なお、FTX Japanについてはすでに、2023年2月21日より法定通貨の出金および仮想通貨の出庫サービスを再開している。2022年12月時点で、仮想通貨と法定通貨共に顧客の預かり資産を上回る量を保管していた。
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