顧客資金の出金再開へ
21日追記:法定通貨の出金および暗号資産の出庫サービスは、2023年2月21日正午(日本時間)より再開する予定。
「法定通貨の出金および暗号資産の出庫のサービス再開のご案内」を掲載致しました。こちらをご確認ください。https://t.co/Vu5jDnBBb3
— FTX Japan (@FTX_JP) February 20, 2023
経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの日本法人「FTX Japan」が17日、2月中の顧客資産の出金再開に向けて、ユーザーに口座残高を確認するよう求めるメールを配信したことが明らかになった。
ブルームバーグの2月18日のインタビューでFTX Japanのセス・メラメド社長が語った内容によると、顧客への出金は「ごく近いうちに」再開予定である。また、17日に配信されたメールによると、FTXが買収したLiquid Japan口座に資産を移せるようになる。
同社は22年12月29日に、親会社FTXグローバル破綻の影響で凍結(出金停止)中の顧客資産について、2023年2月中旬を目処に出金再開予定であると発表していた。
16日に配信したメールの中で、FTX Japanは影響を受けたユーザーに資産移管に向けた残高確認を要請するために順次メールを送ると述べていた。
ブルームバーグに対してメラメド氏は18日、「タイムラインを遵守することを確信している」と述べており、「残高移行に関する十分なデータと関連する承認が得られれば、出金再開を発表する」と加えている。
以前の報道によると、資産移管が可能になると同時期にLiquid Japanから資産の出金・出庫ができるようになる見込み。FTX Tradingは2022年、Liquidおよび子会社のQUOINE株式会社を買収し、会社名をFTX Japanに変更していた。
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FTX Japanの管理体制
130社を超えるFTXグループは米国で22年11月に破産申請を行った。その後FTX Japanは、金融庁監督の元で、顧客資産の管理状況について定期報告を行ってきた。
22年12月26日に開示された資料によれば、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)をはじめとする取り扱いのある14銘柄全てにおいて、顧客の預かり資産を上回る量を保管している。また、法定通貨残高も、顧客の預入資産を約3億円上回る約63億円を管理していると発表した。
金融庁の定める厳格なルールおよび日本法に準拠した分別管理を行い、預かり資産以上の額をコールドウォレット上で管理していたことから、FTXグローバルによる影響を最小限に収め、他国に先駆け円滑な返還プロセスに進んだものと見られる。
グローバル版FTX.comの顧客資産はマーケットメイクを行う姉妹会社Alameda Researchの資産と混在していたことがFTXの現CEOであるJohn J. Ray IIIによって指摘されている。
FTXのサム・バンクマン=フリード前CEOは起訴内容を否認しているが、Alameda Researchの元CEO Caroline Ellison氏らは、FTXの顧客に対する電信詐欺の共謀などの刑事責任を認めており、検察に協力している。
現在、FTXは、FTX Japanのサービスなど4つの事業の売却に向けて、競争入札を行っている。FTX Japanについては少なくとも41社が関心を示していることが分かっており、好条件を引き出す目的で入札プロセスが1か月ほど延長されて入札期日は4月19日となっている。
売却予定とされているのはFTX Japanの他、FTX Europeとデリバティブ取引所LedgerX、清算とカストディのプラットフォームEmbed。これら4事業は規制下にあったことや事業の独立性が他のグループ企業より高かったために、売却プロセスが比較的容易に行えると説明している。
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