
分散型ソフトウェアに対する方針表明
米司法省刑事局長代理のマシュー・ガレオッティ氏は21日、連邦検察は今後、分散型ソフトウェア開発者に対する連邦法典18編1960条に基づく訴追を行わないと表明した。
ガレオッティ氏は、「詐欺、マネーロンダリング、制裁回避など、犯罪を故意に犯した者、あるいは犯罪を幇助した者はこれからも起訴する」としつつ、次のようにコメントしている。
悪意なくコードを書くこと自体は犯罪ではないというのが私たちの見解だ。
ソフトウェアが真に分散化されており、ピアツーピア取引のみを自動処理していることが証拠によって示され、第三者がユーザー資産の保管と管理を行っていない場合、その第三者に対して1960年刑法に基づく訴追は行わない。
1960年刑法には組織的な犯罪行為を規制する条文がある。米ニューヨーク南部地区連邦地裁では6日、暗号資産(仮想通貨)ミキサー「トルネードキャッシュ」のローマン・ストーム共同創設者に対して、無認可の送金事業を共謀して運営した罪で有罪判決が下されたところだ。司法省は1960年刑法に違反したと主張していた。
仮想通貨ミキサー(ミキシングサービス)とは
仮想通貨の取引データを複数混ぜ合わせることによって、その仮想通貨の出所や保有者の身元を匿名化するサービス。
バリアント・ファンド最高法務責任者で仮想通貨に詳しいジェイク・チャービンスキー氏は、今回のガレオッティ氏の発言を踏まえると、ストーム氏への訴訟は取り下げられるべきだとして、次のように述べている。
ローマン・ストーム氏は、まさにこの容疑・状況下で有罪判決を受けたばかりだ。ローマン氏に対して訴訟を取り下げることが正当だ。
ストーム氏自身も以前、「完全に非管理型の方法でプライベートな仮想通貨取引を可能にするオープンソースコードを書いたことで起訴された」と発言し、これは「ソフトウェア開発自体を犯罪化する恐れがある」と訴えていた。
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送金の他、ストーム氏はトルネードキャッシュ運営によりマネーロンダリングと制裁違反の共謀罪でも起訴されている。この二つの容疑については、まだ評決にいたっていない。
検察は、トルネードキャッシュが10億ドル(約1,480億円)以上のマネーロンダリング取引を幇助し、制裁対象となっている北朝鮮のハッカー集団「ラザルス・グループ」が数百万ドルの資金洗浄を行うことも可能にしたと主張していた。
ジャーナリストのエレノア・テレット氏によると、ストーム氏は上訴する見込みだ。
また、仮想通貨業界の中からもストーム氏を支持する声が上がっている。例えばDeFi教育基金は、同氏への支援を継続すると表明。「ストーム氏が制御できない第三者の行動に対して責任を負うべきではないことを陪審員が認識しなかったことに失望している」と続けた。
なお、ドナルド・トランプ大統領は1月、ダークウェブ「シルクロード」のロス・ウルブリヒト創設者に対して恩赦を発令している。
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