香港の著名証券アナリスト、1億円規模のクラウドマイニング詐欺で告発
- 香港の著名証券アナリスト、クラウドマイニング詐欺で告発
- 香港の証券アナリストRaymond Yuan氏が、約1億円に上るクラウドマイニング詐欺へ加担したとして告発された。虚偽の説明や投資リスクを無視した勧誘を行ったとされ、被害者12人が記者会見を行った。
- クラウドマイニングとは
- 資産運用の一つ。マイニングを行っているサービスに投資することでマイニング報酬を得る方法。 最先端の専用機器や設置スペース、電気代を負担する必要がないことで、ソロよりもハードルが低い。
香港の著名証券アナリスト、1億円規模のクラウドマイニング詐欺
香港の著名証券アナリストRaymond Yuan氏(以下Yuan氏)が、「クラウドマイニング」のポンジ・スキームへ故意に誘導したとして、告発された。被害額は、総額690万香港ドル(約1億円)に上る。
Yuan氏は、自身を広告塔にして知名度を利用して投資家を集め、虚偽の説明や投資リスクを無視した勧誘を行ったとされている。
現地メディアのThe Standardの報道によると、被害者による記者会見に同席した香港民主党の発表では、少なくとも12人がYuan氏を告訴しており、中には60万香港ドル(約870万円)を失った人もいるという。
Yuan氏は、2000年代初頭に”投資界の若き魔術師”と呼ばれた香港の有名人で、株式市場に関する豊富な知識を有している。
現在でも2つのラジオ投資番組でホストを務め、過去に株式投資の書籍を出版したこともあるそうだ。
人々は著名な投資評論家であるYuan氏の勧めに従って、Secret Technology Limited社のクラウドマイニングサービスを契約したものの、「10ヶ月後には元本を取り戻せる、大儲けできる」などといった売り文句と異なり、実際には1%のリターンしか得られなかったと訴えている。
今回の記者会見で判明した25〜60歳までの被害者たちは、Yuan氏が仮想通貨マイニングの投資リスクを充分に開示せず、虚偽の説明を行ったと主張している。
Yuan氏は、Secret Technology Limited社は仮想通貨の創設者と提携しており、競合他社を上回るようにアルゴリズムを変更することができると説明した。
CCNの報道によれば、香港深水埗区の評議員で弁護士のShum Wan-wa氏は、この契約自体が罠であり、Secret Technology Limited社に対して「集団訴訟を起こす権利を放棄する条項」が盛り込まれていたと話した。
そのため、被害者たちは英国の仲裁機関に苦情申し立てを行うくらいしかできないという。このような条文が含まれた投資契約は、補償を受けるのも難しくしてしまう。
仮想通貨関連詐欺が急増、著名人を広告塔に活用
以前にもお知らせした通り 仮想通貨関連の詐欺は急増しており、SEC(米国証券取引委員会)も事前防止を優先事項としてアニュアルレポート(年次事業報告書)に記載している。
これまでにも、ボクサーのメイウェザー氏など広告塔として、詐欺ICOのプロモーションに加わった著名人が訴訟を起こされている。
クラウドマイニングサービスもその特性から詐欺に使われやすいという。
利用者がデータセンターで自分用のマイニングが行われているかを確認するのが難しいためだ。
新たな投資話には常に細心の注意が必要である。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します