FTX・アラメダ、米CFTCと和解 賠償金など最大2兆円を支払いへ

最大127億ドルを債権者に支払いへ

米商品先物取引委員会(CFTC)は7日、破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTX、およびその姉妹企業アラメダリサーチと和解した。米ニューヨーク南部地区地裁のP・ケビン・カステル判事が承認した格好だ。

FTXとアラメダリサーチは、損失を被った人々に87億ドル(1.3兆円)の賠償金、および40億ドル(5,900億円)の不当利得返還分を支払う必要がある。

CFTCは2022年12月、顧客資産の不正流用などFTXが詐欺を行ったとして同取引所を提訴していた。

CFTCは、この裁判でFTXの「最も重要な単独債権者」として言及されていたところだが、FTXが再建計画に従う限り、弁済金を受け取らないことに同意した。

このため、FTXは利用可能な資金に応じて、最大127億ドル(1.9兆円)を元顧客などの債権者に支払うことになる。

賠償金と不当利得返還金は、破産手続きプロセスを通じて管理される。資産整理を行っている、FTXのジョン・レイ3世暫定CEOまたは計画管理者のいずれかが監督し、裁判所の命令に従って、債権者に賠償金の分配が行われるようにする格好だ。

FTXは5月、破産裁判所に再建計画書の修正版を提出している。

請求額が5万ドル(約737万円)以下の債権者については、請求額の約118%を、その他の債権者については、請求額の100%、および投資の時間価値(時間の経過による資産増減)に対する数十億ドルの補償金を弁済できる見込みだとしていた。

ただ、仮想通貨については、2022年11月時点における現金相当価値での配分となっており、ユーザーからは仮想通貨による返済を望む声も上がった。再建計画に対する投票は8月16日を期限としている。

関連: FTXが再建計画書提出、すべてのユーザーに100%以上弁済の見込み

FTXとは

サム・バンクマン=フリード被告が率いていた仮想通貨取引所。2019年の創設後、急速に頭角を表し、業界最大手バイナンスに次ぐ大手取引所へと成長していた。その後に経営破綻し、破産申請を行なっている。

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仮想通貨取引への従事禁止

賠償金の支払いとは別に、FTXおよび関連当事者に対しては今後永久に、デジタル資産に関するトレーディングや、第三者のための取引に従事することが直接的または間接的に禁止される。

被告自身のアカウントまたは直接的・間接的な権益を持つアカウントでビットコイン、イーサリアム、USDTなどの仮想通貨を取り扱うことの禁止も組み込まれた。

FTXとアラメダリサーチは、文書や証言の提供など、関連する手続きにおいてCFTCに全面的に協力しなければならない。

なお、3月には地裁判事が、FTXのサム・バンクマン=フリード前CEOに対して懲役25年の判決を言い渡している。電信詐欺、商品詐欺、証券詐欺、マネーロンダリング、電信詐欺の共謀などで有罪となった形だ。

関連: FTXのサム前CEOに懲役25年の判決 カリフォルニアで服役へ

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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