仮想通貨スタートアップ、2024年4～6月で約4000億円を資金調達　

「取引規模が全体的に増加」

金融データを提供する企業PitchBookは、2024年第2四半期（4～6月）に、暗号資産（仮想通貨）スタートアップ企業が503件の取引で27億ドル（3,970億円）を調達したと報告した。

前四半期と比較して、総投資額は2.5％増加した格好だ。一方で、取引数は12.5％減少している。PitchBookは、こうした結果について次のようにコメントした。

取引額が増加し取引件数が減っていることは、第2四半期中に取引規模が全体的に増加したことを示す。

仮想通貨に対する投資家の肯定的な感情が戻っており、今後大きな市場の下落がない限りは、投資金額と投資ペースは年間を通じて増加し続けると予想している。

また、シード段階のプレマネー（資金調達前）評価額の中央値は2,300万ドル（34億円）、アーリー段階は6,380万ドル（94億円）、レイト段階は4,080万ドル（60億円）で、それぞれ2023年通期から+97%、+166%、-36%変化したと続けた。

このことについては「初期段階の投資ラウンドで競争が激しくなっているが、レイト段階ではそれほどではないことを示している」と指摘している。こうした傾向は、仮想通貨以外の「より広範なベンチャー市場と同様」だと述べた。

PitchBookは、特に「インフラ系スタートアップ」が資金調達をリードしたと指摘。特にMonad、Berachain、Babylonの名前を挙げた。

Monadは、VC大手パラダイム（Paradigm）主導で4月に340億円以上の資金調達を完了した。

Monadは、「ソラナキラー」とも呼ばれる新たな高速L1ブロックチェーンだ。イーサリアムのEVM互換性を持ちながら、パラレル処理（並列処理）ができる。

Berachainは4月、Framework Venturesと、欧州の著名投資会社Brevan Howardアブダビ支社が主導するシリーズBラウンドで、約153億円を調達した。

BerachainもイーサリアムEVMとの互換性を持つL1プロジェクトだ。DeFi（分散型金融）に特化しており、コンセンサスメカニズムはPoS（プルーフオブステーク）の一種である独自のPoL（プルーフオブリクイディティ）を採用している。

EVMとは

イーサリアム仮想マシン（Ethereum Virtual Machine）の略。イーサリアムブロックチェーン上でスマートコントラクトを実行するための分散コンピューティング環境で、イーサリアムネットワークの核となる要素である。

Babylonは5月、パラダイムが主導するプレ・ローンチラウンドで約110億円を調達した。PoSブロックチェーン上で、ビットコインをステーキング資産として利用することを可能にするソリューションだ。コスモスSDKで構築されている。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します