大手仮想通貨先物取引所BitMEXのCEOが一部のトレーダーや自社の取引を優遇する疑惑を否定|その反論とは
- BitMEXのArthur Hayes CEO:「我々は顧客に対してトレードしていない」と明言
- レバレッジ最大100倍の仮想通貨商品取引所BitMEXのCEOが、YahooFinanceUKとのインタビューで、最近批判されていた一部のトレーダーや自社の取引を優遇し顧客の取引で儲けているのではないかという疑惑に対し、全面否定、反論を展開した。
- カバー取引とは
- カバー取引は、「カバーディール」とも呼ばれ、金融機関において、顧客取引の反対売買をして、ポジション(残高)を調整するための取引のことを指す。これは、相対取引において、取引の引き受け手がリスク回避のために行うヘッジ取引で、通常、引き受けたロットと同じロットの注文を別の金融機関に対して出す。
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BitMEXのCEOが運営に関する疑惑を否定
レバレッジ最大100倍で知られる大手仮想通貨先物取引所BitMEXのCEOを務めるArthur Hayesは、Yahoo Finance UKとのインタビュー で、10月22日に公開されたブログ記事の中で論じられている批判に対し、BitMEXは誰にも特別なアクセス権を与えておらず、カバー取引も行なっておらず、顧客のトレード清算時に利益を得ていないと反論した。
BitMEXは個人投資家が仮想通貨の将来価格で互いのポジションをとることが出来るP2P式の仮想通貨商品取引プラットフォームである。2014年に設立されて以来急速に成長し、今年初めに最高80億ドルの取引量/日を持つなど、市場で大きなプレーヤーになっている。
また、同社の先物市場の取引量は、米国認定の国内先物市場取引所CBOEとCMEをはるかに上回り、仮想通貨データサイトCryptoCompareの最近の報告書によると、BitMEXと日本のライバル会社のBitflyerFXと合わせた取引量は、仮想通貨市場の総取引量の約4分の1を占めているそうだ。
その世界的最大手の先物取引所に対して、多くの懸念点と批判を挙げた記事が最近Mediumへ投稿されSNS上で話題を呼んでいる。
ブロガーの批判論
10月22日、「Hasu」という名の個人の仮想通貨リサーチャーが長文記事 をMediumに投稿した。この中でHasu氏はBitMEXに対して以下のように3つの主張をしている。
- 1. マーケットメイクデスクを通じて顧客に対して、カバー取引を行なっている
- 2. サーバーがオンラインに戻った時に、特定のトレーダーに優先アクセスを与えている。
- 3. 顧客のポジションを清算した時、余剰金を自社の保険基金に入れて利益を得ている。
Hasu氏はブログの中で、証拠を提示しているわけではないが、主張は複数の顧客の疑念に基づいているとしており、BitMEXは登録・規制がセーシェル共和国の管轄だが、本部オフィスは香港にある為に多数の不透明な部分があると指摘している。
また、Hasu氏はBitMEXに対し、顧客がサーバーに物理的に接続できるコロケーションセンターの建設や、会社の保険基金に上限を設けることなどの改善策も提案している。
ブログには4,500件の反応と22件のコメントが寄せられ、さらに380,000人以上の加入者を持つMediumのブログチャンネルThe Startupにも掲載された模様だ。
CEOの反論とは
CEOのHayes氏は、BitMEXのマーケットメイクデスクの目的は売買の注文を掲示することにより市場に流動性を提供する事であり、顧客に対して、カバー取引を行なっている訳ではないと明言している。
また、特定のトレーダーが優先アクセスと情報を与えられているという疑いに対しても、完全に否定し、BitMEXはサーバーのキャパシティ以上の大量注文を獲得することが多いため、サーバーの現在の問題を解決することが先決だとしている。
さらに、Hayes氏は、顧客のポジションを清算した時にいかなる利益を得てはいない、とも言及した。
一方で、Hasu氏は11月12日のツイートで、「Hayes氏が私の取り上げた懸念を否定したが、今後の懸念を払拭するための提案については語らなかった」と、述べた。
「これらの問題、特にファンドとデスクの透明性がもっと必要となる。」とHasu氏は指摘し、論争はまだ続く様相を見せている。画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します