ロシア知事、マイニングファーム発足のためマイナーをサンクトペテルブルク(レニングラード)に招待
- ロシア政府は仮想通貨マイニング事業に積極的に関与
- レニングラード旧原子力発電所を使用してマイニングファームを発足し、政府所有のファーム設立を検討中。
- マイニングには広大なスペースと安い電力が必要である
- ロシアの核資産を管理しているロサトム社と提携し、旧発電所で質の高いサービスを提供できる。
- マイナーを支援するプロジェクトを発表
- マイニング事業を広めるために電力の補助金を出すなどの支援をする。
ロシアのサンクトペテルブルク、レニングラード地域で、ビットコインを含む仮想通貨マイニングの工業団地を発足させようとする動きが始まっています。地域の知事が、レニングラード旧原子力発電所を使用して、産業規模のマイニングファームを作るために、サンクトペテルブルク付近のソスノヴィ・ボールにマイナー達を招待しました。
レニングラード移転を促すため、マイナーを招待
地方紙によると、ロシアのレニングラード地方知事であるAlexander Drozdenko(以下ドロズデンコ氏)は、マイニングファームを地域に発足させるため、仮想通貨のマイナー達を招待しました。
先週行われた、地域の中小企業(SMEs)のための、”機会エネルギー”と呼ばれる第三次フォーラムで、ドロズデンコ氏は第一レニングラード原子力発電所(LNPP)は、仮想通貨マイニングファームとして活用できるのではないかと提案しました。このイベントには、600人の起業家や連邦政府の代表達が参加しました。
レニングラード地域は、北西をフィンランド、西をエストニアとサンクトペテルブルクに囲まれた場所に位置しています。ソスノヴィ・ボールでの最初の原子力発電所である第一レニングラード原子力発電所は1974年に操業されました。
現在は、その隣で第二レニングラード原子力発電所(LNPP-2)の稼働準備が始まっています。
「ご存知の通り、ソスノヴィ・ボールでの第二レニングラード原子力発電所の建設は終了し、第一レニングラード原子力発電所には大きなスペースができました。」
とドロズデンコ氏は説明し、この敷地は仮想通貨マイナー達にとって有益な場所になるかもしれないと付け足しました。
47News では、
「レニングラード原子力発電所の新しい発電装置の建設の際、製造施設は解放され、早くて2018年にも新しい入居者を迎え入れることができるでしょう。」
と言われています。
安価なエネルギーと特典
ドロズデンコ氏は、「ビットコインのマイニングには処理用の広い敷地と、安価な電力が必要です。」と語っています。
彼の事務所では、既にロサトムステイト・アトミックエネルギー株式会社(Rosatom State Atomic Energy Corporation、以下ロサトム社)のディレクターであるAlexey Likhachev(以下リクハチェフ氏)と議論が進んでおり、リクハチェフ氏を始めとする、他の社員も「第一レニングラード原子力発電所の解放された施設は安価な電力を供給できる工業団地になり得るでしょう」と同意しています。
本社をモスクワに置くロサトム社はロシアの複雑な核事情を規制する機関であり、ロシア内の民間、軍用を含めた全ての核資産の運営を一任されています。
さらに、地域の中小企業(SMEs)のサポートを以ってすれば、レニングラード地域はロシア内での仮想通貨マイニングファーム開設のパイオニアになり得ると知事は語りました。
レニングラード地域政府の発行物では、「新しい先端技術地域では、住居者はさらなる優遇や恩恵を受けられるでしょう」と記述されています。
仮想通貨マイナー達を惹きつけるためのその他の試み
今月初め、インターネット発展協会(Institute for Internet Development , IRI)及びロシアブロックチェーン、仮想通貨連合(the Russian Association of Blockchain and Cryptocurrency, RABIK)は仮想通貨マイナー達に対して、電力の補助金を出すプロジェクトをnews.Bitcoin.comで発表しました。
しかし、このプロジェクトの対象地域はまだ定まっておらず、ロシアの他地域でも仮想通貨マイナー達を惹きつけようとする動きが出てきています。
Googleの報告書によると、今年前半の仮想通貨マイニング関連の検索では、カリーニングラード地域での上昇率が最も高かったとされています。
さらに、第一副首相であるIgor Shuvalov氏によると、政府は政府所有の仮想通貨マイニングセンターの設立の検討を行なっていると言います。
Russian Governor Invites Cryptocurrency Miners to Set Up Mining Farms in Leningrad
9.11.2017 Kevin Helms
参考記事はこちらから
CoinPost考察
ロシアは国をあげて仮想通貨の受け入れに積極的な姿勢を見せています。
また最近ではプーチン大統領とイーサリアムの創業者であるビタリック氏が会談し、仮想通貨の関心の高さが伺えます。
今回の記事では政府がマイニング事業を大きくするために動き出し、政府所有のマイニングセンターの設立を検討中であることがわかりました。
もともとロシアは天然資源が豊富な国として有名です。マイニングも富を得るものであり、仮想通貨市場の拡大とともに今後の成長率は大きいでしょう。
しかし、先日、中国の仮想通貨の対応に対してロシア中央銀行も同じような厳しい見解であると発表し、肯定的なのか否定的なのかどちらでしょうか。これからロシアが仮想通貨に対しどちらの姿勢を取って行くのか注目です。
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