ビットコインとイーサリアムは「売られすぎ」ファンド責任者がネットワーク・バリューを根拠に分析|仮想通貨市況
- 仮想通貨市場
- ビットコインは依然右肩下がりの相場を形成、全面安相場が続く仮想通貨市場を分析する。ファンドの責任者は、現在のビットコインやイーサリアム価格を売られすぎであると分析、ネットワーク・バリューを根拠として提示した。
仮想通貨市場
仮想通貨相場は11日、ビットコイン価格が前日比安、アルトコインも全面安相場を継続し、12月以降右肩下がりの値動きを続けるBTC価格に影響される厳しい状況が続いている。
特に11月の急落で年初来安値を更新してから上昇の勢いも乏しく、ビットコインは過去最高値から80%安の水準まで落ち込んでいる。
短期的な値動きを見ると、BTCFXマーケットも停止されることで警戒されたbitFlyerのメンテナンス時間(11日1時)のタイミングで大きな急騰が見られたものの、11月から続く重要サポートライン(オレンジライン)を抜けることができず、すぐに売りに転じる場面が見られた。
BITMEXのXBT(BTC)USDチャートで確認すると、本日も安値こそ更新しているものの、チャネルでのチャートパターンも含め、依然レンジ内で推移する動きが継続している。
厳しい相場が続く仮想通貨市場は、特に弱気相場の特徴が顕著に会わられており、アルトコインの個別ファンダの影響減や、出来高の減少が見られている。
XRPが2位に浮上するなど動きもあった仮想通貨だが、主要通貨(特にBTC)の弱気相場打破が要となりそうだ。
Bitmexの出来高とステーブル人気が投資家の動きを示唆
多くの現物取引では、下落相場に相関する形で減少傾向が見られているが、現在盛り上がっている変化も2点ある。
1つ目が売りからも入ることが可能でレバレッジ取引を有する取引所の人気だ。
特に人気を博すBITMEXの出来高は、直近の暴落相場のボラティリティに影響され大きく上昇、仮想通貨が最も盛り上がった年初水準と大差ない出来高を維持している。
また2つ目に挙げるのは「ステーブルコイン(価格安定通貨)」の人気上昇だ。
これまでステーブルコインの代表格(実際に大半のシェア)であったUSDTも、レバレッジ取引同様に人気が低迷した現在も年初水準の出来高を維持している。
それだけでなく、テザーの担保金問題などを背景とした複数のステーブルコイン誕生で、高まるステーブルコイン需要は、下落相場でフィアットの代わりに利用するユーザー需要や、税金逃れによる需要など複数の指摘が行われている。
それを裏付ける内容として、調査企業Diarが10日に公開した報告書にて、USDT以外のステーブルコインの出来高(オンチェーン)が、9月との比較で1032%上昇しているデータが報告された。
特に需要高としてデータにあがるPaxosは、ニューヨーク州規制当局より認可を受け、複数の企業が価格保障をするなど、より法定通貨の安全性に近い利用ができる存在として人気を集めている可能性がある。
昨年までメインの取引ペアであったBTCやETH建の人気は減少傾向にあり、上昇相場のBTCやアルト含め仮想通貨を保有しておきたい層が、リスク軽減を目的としたステーブルコインペアへ移行するなど、弱気相場を示す動きとして需要が拡大している模様だ。
BTCやETHは売られすぎか?ファンド責任者が言及
仮想通貨ファンドPlaceholder社のトップの一人であるChris Burniske氏はビットコインとイーサリアムが売られ過ぎと自身のブログで説明した。
「分散化された情報ネットワーク」への投資を主に行なっている同ファンドのBurnskie氏は、仮想通貨に特有かつ重要なファンダメンタルズ指標としてネットワーク・バリューを挙げ、BTCが売られすぎであると示した。
ネットワーク・バリュー(Network Value)とは
ネットワークの価値や利用頻度を測定する指標。仮想通貨特有の指標で低い数値は価格が実際の価値より低いことを指す。
算出方法:通貨の価格 X 未使用の通貨数
データを算出した結果、昨年末から今年の1月中旬のピーク時と現在の指標を比較すると、ビットコインは81%、イーサリアムは93%もネットワーク・バリューが下がっている中、取引数はビットコインが41%、イーサリアムは52%しか減っていないことを指摘。
つまり、取引数が下がっていても、価格が出来高に対して下がり過ぎであるとBurniske氏は分析している。
仮想通貨(ブロックチェーン)関連株
10日は、中国・華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟(Meng Wanzhou)CFO逮捕による米中貿易摩擦など対立の激化懸念に加え、英国で欧州連合(EU)離脱案の議会採決が延期されたことを受け、”合意なき離脱”のリスクが懸念されている。
日経平均株価が71円安と続落したほか、マザーズ指数も2.11%安となり、個人投資家の懐が痛んでいる。
これに伴い、仮想通貨(ブロックチェーン)関連株も軟調だった。
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