ビットコイン急落時に機関投資家が押し目買いか|世界初の証券取引所上場仮想通貨ETPで最高出来高更新
- 世界初の証券取引所上場仮想通貨ETP 過去最大の取引高を記録|機関投資家の押し目買いか
- スイス規制当局認定の仮想通貨ETPは、先週下落時の二日間で出来高が200%上昇した。業界有識者は機関投資家が相場の暴落を狙い、買いに入ったのではないかと分析した。
過去最大の仮想通貨ETPの取引高
11月中旬、スイス規制当局より認可を受けたばかりの『Amun Crypto Basket Index HODL』 (上場投資商品、Exchange Traded Product)は世界初で証券取引所に上場した仮想通貨ETP商品として注目を集めている。
このETPはビットコインに加え、流動性の高い上位通貨=XRP、ETH、BCH、LTC で構築されており、スイスの主要証券取引所SIX Exhangeで取引をされている。
そこで先週の木曜日(12月6日)と金曜日(12月7日)に取引量(シェア)がそれぞれ53,233と62,986まで跳ね上がった。この2日間の取引量増加は月平均の約20,000から見てもかなり突出したものとされている。
AmunのETPが開始してわずか二週間弱、上記二日の出来高は200%の増加を記録したことが、SNS上でも話題になっている。
取引高高騰の原因を考察
シンガポールにあるFXヘッジファンド企業のCEOを務めるSu Zhu氏は、ツイッターによるとこの記録的な増加はビットコインが3,200ドル台、ETCが80台近くへ向かって急落した同時期であり、下落相場に大きく関係しているだろうと分析した。
以下がその期間のビットコインの価格推移チャートだ。
チャートが示すように、6日〜7日の間、ビットコインは、3829ドルから3319ドルへと、約15%の下落を記録した。
Zhu氏は、この様な動きはスイスの敏腕投資家や機関投資家がいわゆる「押し目買い」をしていると推測し、相場の低下とETP取引高の増加の逆相関性=-68%を以下のように示した。
相関図が示すように、6日から9日の間、相場(青線)が下落していた一方、ETP(赤線)は上昇していった。
押し目買いとは
相場が一時的下落したタイミングを見計らって、有価証券を買う手法を指す。株相場だけでなく、FXやデリバティブ相場などでも用いられるという。
投資データメディアInvestment.comのツイッターでもAmun社の仮想通貨ETP は開始第一週には425,000USドル相当の取引があり、すでに金、銀、石油の取引量を上回っていると投稿した。
さらに、Investing.comの報道によると、Celsius のCEO, Alex Mashinsky氏はこの様な分散投資型のETPは今後世界中で増えていくと予想している。
様々な機関や個人経営のビジネスはデジタル通貨を資産のポートフォリオに加えたいと考えており、「そのため沢山のETF, ETN, ETP 投資の商品が過去3年間Launch しており、その他多くの商品も承認を待っている状態だ。」と指摘。そして、「現在は供給よりも需要が上回っている。また、それを規制し管理する金融機関も不足している。その現状はこの様な金融派生商品の需要を更に増加させる要因となるであろう。」との見解を示した。
今回の仮想通貨ETPは暗い相場が続く仮想通貨市場でポジティブな兆候を追及する投資家達に注目されつつある兆しであると言えるであろう。
また最終日程まで延期したVanEck版ETFに対する、投資家の動きを示す一つの指標ともなりそうだ。
一連の動きが現在下向きの仮想通貨市場の明るい材料になるのかどうか、今後も注目していきたい。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します