仮想通貨ビットコインの底値と危険視すべきラインを解説|eToroの投資アナリスト

仮想通貨の「エコシステムは成長している」
ソーシャルトレーディングプラットフォームであるeToroのシニア市場アナリストのMati Greenspan氏が仮想通貨のボラティリティ、ビットコインの底値やトレンド転換の目安について言及。またリスクを分散した投資の重要性を強調した。

eToroマーケットアナリストが仮想通貨市場を解説

英国のソーシャル取引プラットホームeToroのシニア市場アナリストであるMati Greenspan氏が仮想通貨ポッドキャストBig Cryptoとのインタビューで、仮想通貨市場のチャートのテクニカル分析を踏まえつつ、今後の価格の展開について独自の見解を語った。

Greenspan氏はフォーブスやブルームバーグ等、大手メディアから頻繁に専門家として見解を述べている仮想通貨マーケットの著名アナリストである。

インタビュー中でGreenspan氏はビットコインの価格は現在、底に近いと思われるが、いつが買いのベストタイミングか?(Time to buy Bitcoin?)という問いに対して、下記のように回答した。

タイミングを取ることは不可能に近い為、特に初心者はドルコスト平均法でリスクを分散させるのが良い戦略だろう。

ビットコインの市場サイクルについて

出典:Youtube

Greenspan氏はビットコインの価格サイクルは過去と同じパターンで、基本的には投機熱の加熱と調整の繰り返しであり、2017年末のピークからこれまでの下落も過去のサイクルと比較してみると、ボラティリティは通常の範囲であると冷静に言及した。

また長期投資とトレードの観点から、常に安値で買い高値で売るのが基本の考え方であるとし、2017年末の2万ドル(220万円)付近に到達した最高値から比べると、現在の価格は底に近いとした。

また、Greenspan氏はビットコインの底は3,000ドル(約33万円)が重要なサポートラインであると位置付けたが、この心理的な壁を破り、下へ行く可能性も未だ残ると言及。

Greenspan氏が考えるトレンド転換の目安

しかし仮に反転上昇し、6,000ドル(約66万円)まで回復すれば、Capitulation(投げ売り)局面であり、市場が底入れし地合いが好転し始める前触れと捉えることができると述べ、ビットコイン価格のトレンド転換の目安を示した。

その他のファンダメンタルズについて

さらにGreenspan氏は以下の仮想通貨市場でファンダメンタルズと捉えられるテーマや、頻繁に話題となる3点についても言及した。

・機関投資家の参入

・SECが申請判断中のビットコインETF

・株式市場との相関関係

Greenspan氏は、テクニカル分析>ファンダメンタル分析とした上で、CMEやCBOEの先物取引に触れ、機関投資家の取引ボリュームは増えてはいるものの、出来高はそれほど大きくはなく、全体から見ればまだ3〜8%と小規模であるとした。

SECのビットコインETF可否判断について

また仮想通貨市場で重要なファンダメンタルズ材料として2月27日にSECの判断期限を迎えるビットコインETFについて、以下の通り言及した。

ETFの可否は投機的な側面であり、ビットコインの長期的な成功という視点から見れば、たった一つの金融商品の形成だけが市場を左右する重要な要因ではない

株式市場との相関関係について

さらにGreenspan氏は直近の金融市場のベアマーケット入りと仮想通貨の下落との相関関係についても言及。2009年の金融危機以来、中央銀行が市場に供給した資金は主に株式市場へ流れ、そのごく一部が仮想通貨市場に流れている状態であるとし、マクロ的な観点から見ると世界経済が後退すれば、仮想通貨市場にも同様のことが起こりえると述べた。

仮想通貨のエコシステム、成長の余白

最後にGreenspan氏は、ブロックチェーン技術はまだ未熟な段階でありハイリスクであるとし、新しく市場参入するトレーダーは少額から始め、債券やETFなどローリスクやミディアムリスクの投資商品と合わせて分散投資するのが良いとアドバイスした。

また仮想通貨企業の観点からすれば、逆に現状はチャンスでもある可能性について触れた。

全てのエコシステムは急成長している。弱気市場の為に資金が枯渇したプロジェクトもあるが、今はビジネスモデルを試す時期である。

規制の明確化、カストディやセキュリティの向上、機関投資家の参入を皮切りに、課題が山積みに見える仮想通貨市場だが、市場感に紛らわされず、冷静に長期スパンで状況を判断する事をGreenspan氏は勧めている。

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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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