海外の大手取引所2社、STルールでハイリスクと判断した数十種類の仮想通貨を「上場廃止」へ
- KucoinとHuobiが流動性の低い仮想通貨を上場廃止
- 海外の大手仮想通貨取引所KuCoinとHuobiが、プロジェクトの破綻リスクなどが存在する、流動性の低いアルトコイン数十種類について、上場廃止対象として公表した。対象コインは、「STルール」に則って精査する。
KucoinとHuobiが流動性の低い仮想通貨を上場廃止
香港に拠点を置く仮想通貨取引所のKuCoinとHuobiが多数のアルトコインについて、上場廃止の可能性があると公表した。Kucoinは10種類、Huobiは32種類のトークンの取り扱い中止を検討している。
主な理由は、流動性と取引ボリュームの低さだが、仮想通貨市場の低迷がアルトコインに影響していることを物語っている。
取引所各社は、自社の「STルール」に則って上場廃止トークンを選定している。
- STルール(特別対応基準)とは
- STルール(special treatment rule)とは、各取引所が上場基準に満たないトークンを特定の期間監視し、改善が見られない場合は上場廃止するなど、各社が独自に設定している基準である。代表的な項目として下記が挙げられる。
- 一定の期間において、流動性が低い
- プロジェクトが停止される可能性がある
- 技術の安全性や信頼性の面で問題がある
投資家保護の観点から上場廃止トークンを選定
300種類以上のトークンを取引する「Kucoin」は、より優れた投資環境を提供する観点から、bitclave(CAT)、wepower(WPR)、ETHlend(LEND)などの10銘柄の上場廃止を決定したと発表した。
世界有数の取引高を誇る同取引所は、自社のSTルールに照らし合わせ、32種類のデジタルトークンの上場廃止について、以下のように述べた。
Huobiは、これらのトークンを12月26日に再び精査し、基準に満たないものは監視下で取引を行う。ハイリスクと見なされたものは上場廃止する予定だ。Huobiが挙げる対象トークンはenigma(ENG)、datum(DAT)、my token(MT)、wepower(WPR)など他多数とされる。
今年に入って多くのアルトコインが最高値から90%以上下落し、流動性を保つのが非常に困難になっている。
今回の2社の動きは、取引所が機能していないトークンを淘汰し、より健全な取引環境を提供しようとしていると同時に、低迷する仮想通貨市場において、多くのプロジェクトが苦戦している事を示している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します