米テキサス州金融当局、詐欺仮想通貨プロジェクトに行政命令|2018年は約15億円相当の罰金下していた事が判明
- テキサス当局が詐欺仮想通貨プロジェクトに行政命令、米国内で加速する規制関連の動向
- テキサス州証券取引委員会が年次報告書を公開し、2018年は仮想通貨関連の活動を最優先の監視対象の一つとし、合計16のプロジェクトに行政命令を下していた事が判明した。総額14.5億円相当の罰金を課していた事が明らかとなっている。
テキサス金融当局、16の詐欺プロジェクトに行政命令
テキサス州証券委員会(TSSB)の年次報告書 は、これまではそれほど注目されてこなかった仮想通貨関連の活動が、2018年にはテキサス当局の監視対象として最優先事項の一つになっていた事が明らかになった。
このような監視の強化の背景には、仮想通貨関連の詐欺が、株や先物といった伝統的な資産クラスに関連するもの以上に広まっている現状がある。
TSSBの執行報告書は、2018年には合計1320万ドル(約14.5億円)に及ぶ罰金を課したことを報告。仮想通貨に関連するプロジェクトのみで16の行政命令が、合計60の個人と団体に下されている。
また、当局は特にICOに対して監視を強めていた様子がみられており、その一つの例として、後に数億円を投資家から搾取したとして起訴されたICOプロジェクト「BitConnect」への、業務停止の行政命令がある。
このような対処について、当局側は、
喫緊の対応が効果的に詐欺行為を中止に追い込んだ。それにより、BitConnectは時価総額の99%に及ぶ26億ドル(約2850億円)を失った。
と言及した。
テキサス州証券委員会は、多くのプロジェクトが調査の結果詐欺であることを明かした一方で、連邦証券法の基準を満たすコンプライアンスが保証された事例を探しているとも述べている。なお、TSSBによると、規制を遵守したプロジェクトはまだテキサス州内では確認されていないという。
テキサス州の規制当局は、米国内で仮想通貨の規制に対して最も積極的な取締体制を取っている機関の一つである。
昨年11月には、BitConnectの被害者に対し、250ドルの参加費での投資資金の回収を謳う詐欺への警戒を州民に呼び掛ける「BitConnect Update」と呼ばれる詐欺に対する注意を呼びかけていた。
また有名人を広告に採用し、「自律金融システム」を主張していたBitConnect自体は、2度の業務停止命令を受けており、スキームにおける中心人物とされるDivyesh Darji氏は昨年8月に逮捕されている。
年次報告書では、BitConnectの様な新手の詐欺に対して一層の警戒を強調している。
米国内のその他の規制動向
2019年に入ってからの米国内における新たな規制関連の動向として、ワイオミング州での仮想通貨を分類する法案の可決が挙げられる。
同法案では、デジタル・アセットを「デジタルフォーマットとして保存される、経済権利・所有権・アクセス権利である」と定義した上で、デジタル・アセットを以下の3つの範疇に分類している。
- デジタル・コンシューマー・アセット: 主に消費利用目的のトークン、無形の個人財産となる
- デジタル・証券: 企業への投資契約やトランザクション等、第三者の努力の成果による利益を期待する
- 仮想通貨(バーチャル・カレンシーズ): 交換の媒体、計算単位または価値の保存、連邦政府が認可した法定通貨に該当しない
なお、同法律によれば、仮想通貨(バーチャル・カレンシーズ)は、ワイオミング州の州法律の範囲で「マネー(お金)」として見なされることとなっており、同法案の施行は3月1日から始まる。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します