機関向け大手投資コンサル企業、仮想通貨市場への関心や調査の重要性を語る
- 仮想通貨への関心薄れる中で続く「開発」
- ビットコインの歴史的サイクルから見て、2019年の仮想通貨市場は「開発の年」だと仮想通貨のトークンセールプラットフォームCoinListの代表が発言。大手投資コンサルティング企業Cambridge Associates社なども、長期的にみて現在、仮想通貨市場の調査を行なっておく必要がある点を強調した。
仮想通貨業界、「2019年は開発の年」
仮想通貨トークンセールプラットフォームのCoinList社の代表、Andy などがブルームバーグとのインタビュー内で、現在の仮想通貨市場状況、現在の課題点、今後の展望などを語った。
まず、Bromberg氏は今後の仮想通貨市場に対して期待感をもっているという。理由として「フィデリティやBakkt、そしてニューヨーク証券取引所やインターコンチネンタル取引所などがこの業界に目をつけ、新しい取り組みを始めている。」大手金融機関からの関心を挙げた。
特筆すべきは、これに同調した大手投資コンサルティング企業Cambridge Associates社のアナリストの「仮想通貨を調査すべき」とする発言だ。
インタビュー内にて、ペンションファンドや保険基金などの機関投資家を対象に、3000億ドル(約33兆円)以上の資産を運用するコンサルティングを行うCambridge Associatesが投資家向けに配信したノート(ニュースレターなど)で、仮想通貨市場への関心を持つべきだとする掲載を行なったことを明らかにした。
課題は残るが長期的に考えれば、今から投資家がこの業界を調査しておくのは賢明だろう。
(仮想通貨への)投資は高いリスクを伴うが、デジタル化した世界をひっくり返す存在も現れるかもしれない。
またBromberg氏は現在の悲観的な意見を示さずにいる考えには、今後の相場において重要な開発が着々と進められている点が重要と見ているようだ。
現在は過去にも見られたサイクルにあると感じる。2013年にはバブルがあり、そのバブルは2014年に崩壊した。
その後2015には開発が進み、再び2017年にはバブルが発生(2018年には崩壊)した。
2019年は2015年と同様、開発の年となるだろう。
この意見には、Cambridge社のアナリストも、「昨年市場を襲った急落相場は仮想通貨や基盤となるブロックチェーン技術に対して疑問を挙げる理由となっていたが、投資環境を見渡すと業界は衰えているどころか、発展していると言える。」と発言するなど、地固めは問題なく行われている点を強調している。
開発されている中の注目分野として挙げられたのは「分散型金融(DeFi)」だ。
分散型金融(DeFi)
Bromberg氏は、第三者仲介者の無いファイナンシャルサービスの開発が進んでおり、全ての金融機関を取り除くものではないが、手数料の削減など、一般金融業界のサービスには、まだまだ効率化できる部分は残っている点を強調、効率化できる分野として見ているのは、ローンや予測市場、分散型取引所などが該当するという。
ただDeFiに関しても、「改善されたユーザーインターフェースが必要」と述べるなど、いずれにせよユーザーの利便性を考慮したサービス提供が仮想通貨業界の課題だと言えるだろう。
課題の一つ、ユーザーインターフェース
また、課題の一つに挙げられたのは、仮想通貨取引所クアドリガCXでは、同取引所の顧客資産を保有するビットコインアドレスをアクセスする唯一の秘密鍵を有する昨年12月に創設者のジェラルド・コットン氏が亡くなったことで、顧客資産が凍結した事件で、外部からのハッキングではなく、内部管理体制に関連する秘密鍵の保管が一人の企業幹部だけによって行われた点に対してBromberg氏は「セキュリティに関するポリシーが乏しい取引所」と批判を行なった。
また本件はビットコイン取引の不可逆性を強調するものだと、以下のようにコメントしている。
仮想通貨の送金は簡単だが、一度行ったトランザクションは取り返せない。
ビットコインは不可逆性のある取引手段だ。今後の業界発展には、さらに改善されたユーザーインターフェースやセキュリティを有した取引所などが必要だ。
Bromberg氏はビットコインの分散化された性質と消費者保護を保証する規制の枠組みのバランスが今後の課題の一つとして挙げている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します