連邦準備制度、「仮想通貨・ビットコイン市場の暴落」をストレステストの対象とする改正案を提出

連邦準備制度、仮想通貨市場をストレステストの対象に
連邦準備制度(FSB)にて、ストレステストの枠組みにビットコイン市場の暴落をシナリオに組み込んだ改正案が提出された。仮想通貨市場の値動きが、金融市場へ大きな影響を及ぼす可能性のある要因として挙げられた。

連邦準備制度、仮想通貨市場をストレステストの対象に

連邦準備制度(FSB)が、仮想通貨市場の暴落をストレステストの対象とする可能性が浮上した。

連邦準備制度(FSB)にて、ストレステストの枠組みを新たに定める改正案を提出し、その文書の内容が明らかになった。

その文中には以下のように記述されている。

複数の評論家が、ストレステストを十分に機能させるために、突出した市場リスクをシナリオに考慮すべきだとの強い主張があった

(中略)

理事会は北朝鮮との戦争や、ビットコイン市場の崩壊、あるいは、トレーダーの不正などによって引き起こされる主要な損害などのような、強いショックをシナリオに考慮すべきだとの意見があった。

ストレステストは、市場暴落や自然災害のような、不測の事態が生じた場合に備え、ポートフォリオの損失の程度や損失の回避策をあらかじめ評価するリスク評価手法のことで、銀行などの金融機関が、不測の事態に耐えうるかを基準とした審査が行われる。これは、定量的分析や定性的分析の一部として行われ、様々な悪環境下においてどのようなリスク・エクスポージャーが発生し得るかをより明確に把握することが大きな目的となる。

ビットコイン市場の暴落が、改正案に盛り込まれるのは初めてで、ボラティリティが高く、明確な信用力を担保としてない側面が、金融市場におけるリスクと見られている反面、仮想通貨市場が世界経済に大きな影響力を持ち始めていると考えられていることを示している。

日本でも仮想通貨・ブロックチェーンが議題に

以前からコインポストでも報道しているように、日本の国会においても、仮想通貨やブロックチェーンに関する議題が取り上げられる機会が多くなっている。

衆院予算委員会での中谷議員の質問を受け、麻生大臣や日銀副総裁がデジタル通貨や仮想通貨(ブロックチェーン)に言及した。田中内閣府副大臣も「インターネットの黎明期同様、試行錯誤を経て発展する可能性は十分ある。利用者保護とイノベーションの観点から、しっかりと支援していきたい。」などと述べたほか、討議では仮想通貨(ビットコイン)市場にも言及されている。
安倍総理は藤巻議員の質問に対し、「国内ベンチャー企業が世界初のビジネスモデルに挑戦するなど、仮想通貨分野で世界でも十分に戦える企業が我が国に存在している」などと述べ、成長の可能性を研究していく必要性にも言及した。

徐々にではあるが、仮想通貨・ブロックチェーン市場の存在感が増しているのではないだろうか。

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今年6月に仮想通貨規制を勧告するFATFは、仮想通貨を「財産、収益、資金、その他の資産」とみなすべきと主張。約10年ぶりとなる日本への「対日相互審査」は、10-11月頃を予定している。
イギリスの仮想通貨分野において資金洗浄対策とテロ資金供与防止における規制が充分でないことが英国の金融活動作業部会(FATF)が発表した報告書にて指摘された。イノベーションを促進しながら、リスクの抑制を図る規制を目指していく。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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