仮想通貨ビットコインETF申請2社 可否判断延期|影響を専門家が解説
- ビットコインETF、一次判断は「延期」
- 米国SECは、現在申請中の2つのビットコインETFにおける可否判断を初回で延期した。また、仮想通貨・ブロックチェーン関連に詳しい弁護士は「さらに、あと2回延期される可能性が高い」との見解を示している。
ビットコインETF、可否判断の時期が延期に
米国SEC(証券取引委員会)が、現在申請を行なっている二つの「ビットコインETF」に対して最終可否判断にかかる審議の期間を延期したことを、公式発表にて発表した。
一次審査の判決は本来、Bitwise版ETFが4月1日、VanEck版ETFが4月6日にそれぞれ予定された。
しかし今回、判断時期の延期が決定されたことで、次の可否判断の予定日は45日延期され、Bitwise版ETFは5月16日、VanEck版ETFは5月21日となる。
なお、最終判断における延期は最大「240日」まで可能だ。
SECは可否判断を延期する理由を、「申請を審議するより多くの時間が必要」としている。
米国の仮想通貨・ブロックチェーン法案に詳しいJake Chervinsky弁護士も、今回の決定についてツイッター上で見解を述べている。
SECは、申請中のビットコインETFであるBitwiseとVanEckの可否判断の期限を5月16日、5月21日へと延期した。
SECはあと2回、判断時期を延期できるが、2回全て延期される可能性はかなり高いだろう。
(判断時期が2回延長されれば)SECの”最終の”期限は2019年10月13日(Bitwise)、10月18日(VanEck)となる。
VanEck社、重役の発言
VanEck社のデジタルアセットディレクターGabor Gurbacs氏は先日、ETFの承認日に関して、「(我々からすれば)大きな問題ではない。VanEck社とSolidXはすでに、ETFのバックボーンとして必要とされる、マーケットのインフラを構築するため、多くの時間とリソースを費やしている。」と語っていた。
Gurbacs氏は昨年のETF申請より、同ビットコインETFが承認されるメリットを示してきており、以前にもそれを以下のように取り上げている。
- ETFエコシステムを通したビットコイン流動性の向上
- 価格の安定化と取引の実行プロセスの向上
- 仮想通貨関連事業の分散化:取引事業、カストディ、査定機関など
- 透明性のある手数料
- 確立した法的コンプライアンス基盤
なお、1月に再申請を行なった際にも、Gurbacs氏はこのように、ETFの審査期限がそれほど重要でないことに言及した。
ビットコインには、ETFの取引準備ができている。
タイムライン(期限)は重要だが、最重要ではない。我々は時間に関係なく、ビットコインETFの実現にコミットしている。
SECが再三に挙げたビットコイン市場の課題を解決することで、ビットコインETFを市場に提供したい。
2017年より、SECは「ウィンクルボス版ETF」を含む複数のビットコインETFの申請に対し、「市場操縦の傾向」や「不健全なカストディ」などを理由で、否決の判断を下してきている。
しかし先日、Bitwise社は、SECに200ページに及ぶ報告書「本当のビットコイン市場」を提出し、「水増しの疑いがかかっている取引高を除いた本物のビットコイン取引高は、至って健全である。」と指摘している。
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