コインハイブ事件の無罪判決を不服として検察側が控訴、仮想通貨モネロの無断マイニングプログラムの違法性が争点
- コインハイブ事件の無罪判決を不服として検察側が控訴
- 弁護士ドットコムは10日、サイト閲覧者のPCを使用して仮想通貨モネロのマイニングを行う「コインハイブ」をめぐる裁判で、横浜地裁が下した無罪判決を不服とし、検察側が東京高裁に控訴したことを報じた。
コインハイブ事件の無罪判決を不服として検察側が控訴
弁護士ドットコムは10日、サイト閲覧者のPCを使用して仮想通貨モネロのマイニングを行う「コインハイブ」をめぐる裁判で、横浜地裁が下した「無罪判決」を不服として、検察側が東京高裁に控訴したことを報じた。
横浜地裁は3月27日、コインハイブ事件の被告人の男性に無罪判決を下していた。
男性は2017年10月30日〜11月8日の間、自身のウェブサイトに「コインハイブ」と呼ばれる仮想通貨モネロの演算を行うプログラムを設置したところ、ウイルスを仕込んだとして警察に摘発され、「不正指令電磁的記録(コンピュータウイルス)取得・保管」の罪で横浜簡裁から罰金10万円の略式命令を受けた。
その後、これを不服として正式裁判を請求、横浜地裁では無罪判決を勝ち取っていた。
Coinhiveは元々、サイト訪問者がページを閲覧している間に仮想通貨をマイニングさせてサイト運営者が収益を得るサービスで、ネット広告の代わりとして作成されたもので、本来は、仮想通貨マイニングを行うコミュニティーが、余剰分のCPUパワーを貸し合う善意の目的で作成されたとされる。
東京高裁に控訴された控訴趣意書が出ていないため、現時点では反論の詳細は不明だが、コインハイブ事件をめぐる主な争点は、以下の3点だ。
- マイニングプログラムが、不正指令電磁的記録にあたるか
- 「実行の用に供する目的」があったと言えるかどうか
- 故意性の有無について
警察庁によると、閲覧者のPCを無断マイニングしたとして、すでに18歳〜48歳の学生や会社員など全国で計16人を検挙しており、内3人が逮捕されている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します