仮想通貨取引所「SBIVC」がビットコインキャッシュ(BCH)を取扱い廃止、理由と背景は

SBIVC、BCHの取扱い廃止
「SBIバーチャルカレンシーズ SBIVC」は16日、ビットコインキャッシュの取扱いの廃止決定をした。業界ではビットコインSVの上場廃止の流れが波及、再度コミュニティの争いが懸念されている状況にあった。

SBIVC、BCHの取扱い廃止

国内仮想通貨取引所「SBIバーチャルカレンシーズ SBIVC」は16日、ビットコインキャッシュ(BCH=BitcoinABC)の取扱いの廃止を決定した。

SBIVCの公式発表によると、具体的な廃止スケジュールの詳細は4月下旬に予定、予定廃止日時は6月下旬を予定している。

なお、上場廃止の理由としては、「BCHの時価総額が大幅に減少」や「ブロックチェーンの安全性に疑義が生じていると判断」、「ハードフォークが行われ、価格が大きく下落する可能性を完全には否定できない」が挙げられた。

取り扱うBCHの返還方針としては、4月下旬を目処に、顧客のBCH売却を通じた換金を開始。5月下旬に、顧客管理の指定ハードウエアウォレット(CoolXWallet)への出庫を開始する。なお、BCHSV(ビットコインキャッシュ・サトシビジョン、またはBSVの名称)の金銭対価交付に関して(換算レート、金銭の支払日など)は、4月下旬を目途に通知があるという。

ビットコインキャッシュは、2018年11月に行われた大型アップデートを巡り陣営が対立。Bitcoin ABC陣営とBitcoin SV陣営でチェーンが分岐後にハッシュ戦争を通してメインチェーンを争う動きにまで発展した。

事態は、ビットコインABCがビットコインキャッシュのメインチェーンであるとの大方の認識で収束したが、2019年4月に入ってからバイナンスのCEOであるCZ氏などを中心に、ビットコインSV陣営の主要メンバーにいるクレイグ氏を「偽のサトシ・ナカモトである」などと批判。日本時間15日深夜に、バイナンスが正式にビットコインSVの上場廃止を決定した。

SV上場廃止の流れは、業界の主要取引所にも波及。ShapeShiftが上場廃止を発表したほか、Krakenが上場廃止を踏まえたアンケートを実施、上場廃止を求める選択肢が高い確率で選択された。

SBIVCが発表したのは、国内取引所に上場していないビットコインSVではなく、メインチェーンにあたるビットコインキャッシュ(BABC)である。これは今回のビットコインSV上場廃止の流れを受け、再度仮想通貨コミュニティ同士の対立することを懸念した動きであることが、一つの理由にあることが考えられる。

SBIはこれまで、ビットコインキャッシュのマイニングに注力するなど、ビットコインキャッシュ陣営と寄り添う運営を行なってきたが、CoinPostのインタビューなどで北尾社長は、このような仮想通貨コミュニティの対立を不安視、懸念を示していた。

日本の仮想通貨交換業者として、このような争いに投資家が巻き込まれることなどの対策を踏まえたユーザー保護を第一とする運営に力をいれる姿勢が見受けられる事例となった。

SBI北尾社長インタビューはこちらから 『仮想通貨(ビットコイン)市場の将来性とリップルの展望』

SBIグループは、仮想通貨取引所「SBIバーチャル・カレンシーズ」など、仮想通貨事業にも注力している。同グループの北尾吉孝CEOに、仮想通貨メディアCoinPostでインタビューを実施。ビットコイン市場やリップル(XRP)の展望などを伺った。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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