仮想通貨取引所バイナンスの利益が2019年に「V字回復」 その理由は?
- バイナンス、2019年Q1の利益が50%超
- 仮想通貨メディアサイト「theblockcrypto」の独自の統計で、Binanceの2019年第1四半期における利益が前期比66%高で、約87億円を記録したと判明。新たなビジネス戦略などを考察した。
バイナンス、2019年Q1の利益が50%超
仮想通貨メディアサイト「theblockcrypto」は独自の統計で、仮想通貨取引所Binanceの2019年第1四半期(1〜3月)における利益が前期比66%高だったことを算出した。なお、その利益は7800万ドル(約87億円)に達する。
同メディアのチャートと統計によると、2018年のQ4(10〜12月)における利益は4700万ドル(約52億円)だったものの、2019年Q1の利益増加は過去利益が減少していたQ3、Q4からV字回復を見せた。
その統計方法について、Binanceが四半期ごとにBNBのバーン(トークン流通数を減少する方法)を行う際、該当する四半期の利益の20%をBNBの買い戻しを行うため、四半期の利益率算出が可能だ。なお、16日に終了した7回目のバーン実施で消費された約17億円相当のBNBトークンから逆算すると、第一四半期には約87億円の利益があがった計算となる。
Binanceは2017年末の相場暴騰を受け、取引所の利益も比例した高水準を記録した。その一方で、仮想通貨の「厳冬」とも呼ばれる相場低迷の流れは、同社の2018年第3・4四半期の利益率低迷に繋がった。この流れを見ると、市場参加者の流入が同社の利益率に直結していることがわかる。これらの動きから主に手数料の上昇が、市場参加者の増加傾向を示すデータとみる見方もある。
これらの動きを見ると、4月の仮想通貨市場高騰前にも、市場参加者が戻ってきていた状況が見えてきた。
なお、今年の1月よりトークンセールの「ローンチパッド」や、メインネットとDEXのテスト公開などでサービスの拡大も行なってきた。これらの動きも、新たなバイナンスの利益に繋がっていることが推察される。ローンチパッド上のトークン購入にBNBを採用するなど、企業内のマネーフローを高めたことも、利益率を上げたひとつの理由と考えられる。
Binanceの上場ポリシーを踏まえた仮想通貨の上場費用は無料にしているほか、全てチャリティーに寄付するため、これらはバイナンスの収益には含まれていない。
現在、Binanceから始まった「BSV上場廃止運動」が業界で話題を呼んでおり、CEOのCZ氏を始め、ShapeshiftとKrakenなどの責任者およびそのフォロワーたちも支持している一方、それを疑問視するユーザーも多数いる。業界の不安が起きている中で、Binanceのどのように業界を率いていくか注視されている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します