現仮想通貨市場に「上昇相場を示唆する3つの要因」2020年に最高値更新?|CNBC番組内
- 仮想通貨市場は上昇相場へ、トム・リー氏が予想
- 米投資ファンドFundstrat社の創設者であるトム・リー氏は、長引く仮想通貨の弱気相場がついに終わりを迎えたとCNBC番組で語った。2020年までにビットコイン価格は過去最高を更新すると見るリー氏は、現相場で見られる3つの上昇要因を解説した。
強気相場を示す要因とは
米投資ファンドFundstrat社の創設者であるトム・リー氏は、長引く仮想通貨の弱気相場がついに終わりを迎えたと、CNBCの経済番組のインタビューで語った。その根拠として主に3つの要因を挙げ、さらにビットコイン価格は最高値を2020年までに更新する可能性が高いと強気の見解を述べた。
リー氏によると、仮想通貨市場が強気相場となるときのみにみられる11のサインがあるという。そのサインの中でも、現在確認されているものとして主に次の3つを挙げ、解説を行なった。
- ブロックチェーン上での取引量の増加
- 200日移動平均線の突破
- 機関投資家の動向
リー氏によると、取引量におけるポジティブなサインが今年1月に確認されたという。それはブロックチェーン上での取引量(OTC取引)の増加であり、特にベネズエラとトルコでの経済不安がその勢いを大幅に加速させたようだ。
それらの国での取引量は、同月には最大約30%の増加を記録。リー氏によれば、それは国民の自国の法定通貨や銀行への信頼の低下を示唆しているとし、相場におけるその意味合いは大きいとみられる。
また、先週にはビットコインの承認トランザクション数が2017年末のバブル相場水準まで上昇していることが判明した。それらのデータからは、これまでの弱気相場の中ではみられなかったようなビットコイン取引の活発化が伺える。
今月2日の日足での200日移動平均線の上抜け(ゴールデンクロス)は、強気相場入りを示す力強いサインであるという。なお、同移動平均線のゴールデンクロスが確認されたのは、2015年10月以来初で、2017年末までの2年間に及ぶ高騰相場へ繋がったポイントでもある。
Fundstrat社の調査によると、OTC取引業者の顧客数が60〜70%増加。リー氏は、このデータを「機関投資家がどのように仮想通貨をトレードするかという観点から重要である」とした。
一般的に、機関投資家が行うような大口の取引にはOTC取引が適しているされるが、その理由は取引価格における優位性やカウンターパーティリスクの軽減等が挙げられる。OTC取引を行う顧客数の増加は、機関投資家の仮想通貨への関心の高まりを示唆しているともとれるだろう。
以上のサインの他にも、リー氏が独自開発した指標「ビットコイン・ミザリー・インデックス」が、ビットコイン価格がすでに底を打っていることを示唆していることも指摘した。
また、米国株式市場と仮想通貨市場との比較から、S&P500が大きく動く時は仮想通貨市場もその後大きく動くといった連動性を主張。それらの間で現在2.5ほど離れている標準偏差を仮想通貨市場が埋めることになれば、ビットコイン価格は1万4000ドルに到達する可能性が高いとした。
そして、先日ビットコイン価格の急落を引き起こしたテザー問題に言及した際には、それの相場への影響は一時的なものであり、「大したことではない」と楽観的な見解を示した。
以上の内容から、今後の仮想通貨相場へ強気な見方を強調したリー氏であるが、それらをふまえ2020年にはビットコイン価格は過去最高を更新することも予想。2020年5月に予測されているビットコインの半減期も考慮しての意見であることが考えられる。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します