仮想通貨USDTの約3割が米ドルの裏付け無し テザー社顧問弁護士が供述
- テザー社、完全な価値の裏付けは無いと容認
- 米時間30日、26%のテザー(USDT)は米ドルの裏付けが無いことをテザー社の顧問弁護士が宣誓供述書に記載した。テザー社は現金および同等の資産を21億ドルしか保有しておらず、総資産は約74%のテザーにしか相当しないという。
テザー、約3割が米ドルの裏付け無し容認|「銀行も同じことをしている」顧問弁護士が主張
米時間30日、26%のテザー(USDT)は米ドルの裏付けが無いことが明らかになった。テザー社の顧問弁護士Stuart Hoegner氏が、宣誓供述書に現金および同等の資産を21億ドルしか保有していないと書いていたことが判明した。一方、CoinMarketCapが提供するデータによると、ステーブルコインのテザー(USDT)の供給量は28億ドルを超えている。
「この宣誓供述書に署名している現在(4月30日)、テザー社は現金および現金同等物(短期証券)を約21億ドル分保有しており、現在の発行済テザーの約74%に相当する。
ステーブルコインであるテザー(USDT)は、米ドルとの1:1の等価交換を保証していることが大前提であるが、26日にテザー社による裏付け資産、約950億円の不正利用が発覚した。その結果、親会社iFinex社は、米NY州の司法長官から裁判所命令を受け、この事件は同日のBTC価格急落の要因となった。
Hoegner氏は続けて、「同社が傘下取引所のBitfinexで隠蔽した約950億円は、潜在的な市場の低迷を動機に、仮想通貨市場を保護するためのものである。」と同書内で主張している。
また、事件発覚の際に財務的に強固な状態を維持していると発表し、ニューヨーク州の司法長官の主張は「いき過ぎた取り締まり」だと反対の姿勢を示していた。さらに、30日のニューヨーク州の司法長官による訴追内で、同社顧問弁護士は全てのテザーが裏付けされていない事実に対し「部分準備銀行制度は商業銀行と似ている業務形態であり、どの銀行も、預金額に占める僅かな割合しか、実際に現金を保有していない。」と指摘した。
しかし、テザー社はあくまでも仮想通貨企業であり、銀行ではない。そして、米ドルの等価交換を保証するプロダクトを提供する企業であったはずである。
仮想通貨の法定通貨への価値の依存は、依然として市場全体の課題であるが、Bitfinexが業界最大の取引所の1つであることから、当事件はBitcoinとTetherの価格にこの先も悪影響を及ぼす可能性がある。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します