ビットコインの日間トランザクション数が「2017年バブル期超え」|仮想通貨を取り巻くシーンが実利用に変化
- BTCのトランザクション数がピーク時水準に
- ビットコインの日間トランザクション数が最高値を記録した。仮想通貨市場のバブル期にあった2017年12月と比較して取引手数料は大幅に減少、業界を取り巻く動きが実利用に変化したことが要因か。
BTCのトランザクション数がピーク時水準に
先月、ビットコインの1日あたりのトランザクション数の月平均が最高値を記録したことがわかった。
市場が急騰した2017年12月時点の水準である日間トランザクション数の約360万トランザクション(月平均)を2019年4月に超え、約366万トランザクション(月平均)に達した。これは、送金や決済利用が普及していることを示すデータとなる。
こうした動きの背景には、先月のBTC価格上昇の他にも、レンディングサービスや決済・送金サービスなど、ビットコインを利用したプロダクトが増加している点。さらには、ベネズエラやトルコなどインフレが進む地域を中心とした実利用ベースの需要が高まっていることなども挙げられるだろう。
仮想通貨関連企業Genesis社のCEO Michael Moro氏が「ビットコインは運転資金や送金といった非投機的な目的で使用される傾向にある」と語るように、上述したデータが、ビットコインの「投機的フェーズ」から実需用が広まる「非投機的なフェーズ」に移行していることをみる一つの指標となる。
また、特筆すべき点としてトランザクション数が同水準まで増加する中で取引手数料が大幅に減少し、2017年12月比で取引手数料が80%未満に収まっていることだ。
1日あたりの取引手数料平均
2017年12月:616 BTC
2019年4月:89 BTC
取引手数料が上昇しない背景とは
トランザクション数が増加傾向にある中、手数料が低く収まる背景には、主に以下の原因が考えられる。
- バブルから脱却している点(投機筋による送金需要)
- Segwitの普及
2017年12月当時は価格上昇の真っ只中にあるなかで、トランザクションの承認が詰まったビットコインに、早く送金を行いたい短期投資、またはアービトラージなどを目的とした投機筋の投資家が取引手数料を高騰させていた。今回のトランザクションチャートと価格の相関性が弱まっていることからも、根本的な背景が異なる。
また、2017年時点で可決こそしているものの普及率が10%に留まっていたSegwitアドレスの利用率が、先月の普及率は40%にまで高まっていることも大きな要因だ。この影響でビットコインの処理がスムーズになったほか、手数料自体も半分から3分の2程度にまで抑えられる。
その他にもマイナーによる影響など、複合的な影響は考えられるが、上述した2点が占める割合は大きい。
こうしたエコシステムの現状を考慮すると、健全な形でビットコインが普及していると言えるのではないだろうか。仮想通貨を取り巻くシーンも、2018年の下落相場を経て変わりつつあるのかもしれない。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します