米SECクリプト・ママ、規制当局のアプローチの遅さを批判|仮想通貨業界の衰退を懸念
- クリプト・ママがSECのアプローチの遅さに危機感を示す
- 米SECのコミッショナーPeirce氏が、シリコンバレーで開催された証券フォーラムにて、SECの仮想通貨業界に対するアプローチに危機感を表明。不明瞭な姿勢が業界の衰退を招くと懸念している。
クリプト・ママがSECのアプローチの遅さに危機感を示す
米SECのコミッショナーHester M. Peirce氏(以下、Peirce氏)は、シリコンバレーの中心地パロアルトで開催された証券フォーラムでのスピーチの際に、SECの仮想通貨業界に対するアプローチの遅さへの危機感を示した。同氏は、業界への寛容な姿勢から「クリプト・ママ」とも称される人物である。
Peirce氏の主張によると、SECがこれまで業界に対してとってきた規制措置の大部分は適切であるものの、その動きの遅さは業界の発展を妨げる要因となり得るという。同氏は、急ぎの規制が黎明期の業界を衰退させることを過去に危惧していたとしつつも、その懸念は現実のものとはならず、むしろ喫緊の対応が必要であったとした。
Peirce氏は、SECの腰の重い規制スタンスについて、スピーチ中で次のように述べている。
SECは、核心的な質問についてのガイダンスを一般の人々やFINRA(米国の金融取引業規制機構)へ提供できておらず、その結果として、多くの仲介業者や取引プラットフォームが適切な対応が分からず待ちぼうけになっている。
業界がどのように進んでいけば良いのかといった部分における疑問への明確な回答が得られていない。
「FinHubネットワーク」の設立によるスタートアップ普及の主導など、SECのこれまでの動向を評価する発言もスピーチ中でみられたが、同組織の仮想通貨業界に対する規制当局としての動きには苦言を呈する格好となった。
一方で先日には、SECとCFTCは、米国会の公聴会にて「デジタル資産およびブロックチェーン技術に対する認識と理解が重要である」との姿勢を改めて示している。
今回のPeirce氏の主張に加えて、規制当局が示すそのようなスタンスからは、業界に対する喫緊のアプローチが求められていることは認識している様子がうかがえるだろう。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します