日本政府、景気一致指数を「悪化」に下方修正|ビットコイン市場への資金流入の可能性も

内閣府発表、景気一致指数を「悪化」に下方修正
内閣府が3月の景気動向指数を発表。景気後退局面を示す「悪化」に下方修正した。リセッション懸念で国際株式市場が中・長期下落トレンドに突入した場合、先進国でもビットコインを資金逃避先とする動きが加速する可能性もある。

内閣府発表、景気一致指数を「悪化」に下方修正

内閣府は13日、3月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値を発表。

景況感を示す指数は、前月比0.9%減の99.6となり、景気後退局面を示す「悪化を示している」に下方修正された。

景気動向指数とは
生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された指標のこと。

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以前、内閣府が発表した2019年1月の「景気動向指数」速報値では、前月比2.7ポイント低下の97.9(CI、2015年=100)だった。これに伴い、基調判断を「足踏み」から「下方への局面変化」に下方修正したばかりだ。ただし、これは一致指数から一定の計算式で機械的に算出するものとなるため、政府発表の公式な景気判断と必ずしも一致するものではない。

Lv1. 改善 景気拡張の可能性が高い
Lv2. 足踏み 景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す
Lv3. 局面変化(上方) 事後的に判定される景気の谷が、それ以前の数か月にあった可能性が高いことを示す
Lv4. 局面変化(下方) 事後的に判定される景気の山が、それ以前の数か月にあった可能性が高いことを示す
Lv5. 悪化 景気後退の可能性が高いことを示す
Lv6. 下げ止まり 景気後退の動きが下げ止まっている可能性が高いことを示す

各国の景気指数の下方修正には米中通商協議が難航している影響が指摘されており、半導体や自動車産業など、中国及びアジア向けの出荷減が響いたという。米国でも、経済指標のISM製造業景況指数やISM非製造業景況指数などが減速傾向にあり、貿易戦争が激化する様相を呈していることから予断を許さない状況にある。

出典:内閣府資料

一方で、このような状況は、金(ゴールド)や日本円などと同様、ある種の「避難資産(デジタル・ゴールド)」としての側面もあるビットコインなど仮想通貨市場にとって追い風と見る向きもある。昨年10月と今年4月には、ダウ平均株価(30種)が史上最高値付近まで高騰、日経平均株価もバブル崩壊後の最高値である2万4000円を付ける場面も見られ、保有資産が膨らんだ投資家も少なくない。

年末年始に記録的な暴落を経たことで個人投資家の資金余力は大幅に毀損したが、株式市場など相場の不確実性が強まっている現状において、2018年に仮想通貨を利確後の資金が株式市場に向いたのと反対に、ポートフォリオ縮小した投資家の資金逃避先、あるいはリスクヘッジの一環で新たな投資先の一つとして、株式市場から仮想通貨市場への資金流入が増加し得るとの見方もある。

政府は、20日発表の月例経済報告で、1-3月の国内総生産(GDP)1次速報や株式市場など総合的に勘案して景気判断を示すことになる。景気後退局面であるリセッションが深刻化すると不況から恐慌に陥るとされる。

世界経済の減速懸念が高まる中、今年10月に消費増税率10%への引き上げを控えている日本であるが、2014年に消費税率を8%まで引き上げた際には、自動車や住宅販売が落ち込みを見せた。消費増税を見据えて推し進める「キャッシュレス促進」などの景気刺激策や令和6年(2024年上期)に予定される新紙幣発行も、仮想通貨業界の動向とは無縁ではない。

安倍政権は今後どのような見解を示すのか、国内外から関心が高まっている。

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日本政府が発表した「景気動向指数」が、3ヶ月連続で悪化した。リセッションが深刻化すると恐慌に陥るとされるが、世界的金融危機など地合い悪化時の仮想通貨市場への影響を探る。
日銀は、20年ぶりとなる新紙幣を「令和6年」に発行・福沢諭吉などの肖像も刷新する。暗号資産XRP(リップル)の分散型元帳技術を搭載したSBIのマネータップや、三菱UFJフィナンシャル・グループのデジタル通貨を始め、キャッシュレス社会および仮想通貨決済への影響にも関心が集まる。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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