フェイスブック発行予定の仮想通貨グローバルコインに辛口評価|仮想通貨分析機関Diar
- フェイスブックの仮想通貨に多くの課題
- 仮想通貨分析機関Diarは、フェイスブックが発行予定のグローバルコインに関して、人口統計学の観点から課題点を指摘した。若年層におけるマーケットシェアの低下など、3要素から辛口評価している。
人口統計学の観点から課題点を指摘
ブロックチェーンならびに仮想通貨分析機関であるDiarは、ソーシャルメディアの巨人であるフェイスブックのネイティブコイン、「グローバルコイン」(GlobalCoin)に辛口評価を与えている。
同コインは、ローンチ時期は2020年のQ1(1〜3月)としており、「今後12ヶ国以上で、GlobalCoinの決済システムを展開予定」としており、年内にトライアルを行う予定だという。導入予定の情報の背景には、フェイスブックが直近Visa社や、大手送金企業Western Unionなどと噂のステーブルコインの発行などに関する事業商談を進めていることがある。
5月28日に公開された最新レポートによると、フェイスブックの現在のユーザー層から考察すると、2020年の第1四半期にローンチ予定の同社が開発中の仮想通貨「グローバルコイン」は、以下の3要素から過酷なチャレンジに見舞われるだろうと述べた。
1. ユーザー層の高齢化
35歳未満のユーザーは半数に満たない一方、 退職したユーザー数は2012年以来、倍になっているが、この年齢層は仮想通貨に対する認識、知識に乏しい
2. 若年層(10代)におけるマーケットシェアの低下
この年齢層は、仮想通貨に十分な知識もあるが、経済力に乏しい
高所得層よりも低所得層の若年層がフェイスブックをメインに使用する
(Pew Research Center データ)
3. カストディと決済の完了が、シームレスに統合されているかどうか疑問
スムーズなユーザー本位のシステム構築が成功の鍵となる
米大手取引所との提携も
Diarは、グローバルコインが消費者ならびに商業者の双方に普及するよう、ユーザー体験を重視するならば、フェイスブックは銀行等の金融機関との提携によって決済業務を行う必要があるだろうと述べている。
フェイスブックは、送金大手のウェスタンユニオン、イングランド銀行、そして米国財務省とも話し合いの場を持ったと伝えられ、さらに、フィナンシャルタイムズ紙によると、米大手取引所のコインベースやジェミニとの会談も行われたという。
しかし、フェイスブックのアメリカにおけるユーザーベースは10%しかないため、多くの法定通貨への対応や、金融インフラが不足している国々をターゲットとすることが、これからの展開として有力だと考えられるとレポートは考察している。
特に現在15億人のユーザーを抱えるという、フェイスブック傘下のチャットアプリ「WhatApp」における送金・決済に目を向けると、国際送金額の大きいインドは、最もシェアの大きい国の一つとなっており、このような国々での展開が、フェイスブックのグローバルコインの成功を鍵を握ることになるかもしれない。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します