仮想通貨の時価総額が30兆円台回復、直近高値更新のイーサリアムやリップルが牽引|ビットコイン市況
- 仮想通貨市場
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●ドミナンスの変遷と主要アルトの循環物色
●米ウォール街でも高まるビットコインの関心、機関投資家にもFOMOの指摘
金融市場と仮想通貨
30日の東京株式市場は小幅続落となり、前日比60円安の2万942円に。
6月に開催されるG20会議まで、米中貿易摩擦の長期化により燻る世界経済の減速懸念が解消される見通しが立たず、景気敏感株のみならずディフェンシブ銘柄にまで売りが広がるなど、先行き不透明感が漂っている。
ビットコイン市況
30日、ライトコイン、イーサリアム、リップルなどのアルトコイン高騰に伴い、仮想通貨全体の時価総額が30兆円台を回復した。
2018年1月7日のピーク時には、90.7兆円まで膨らんでいた仮想通貨市場の時価総額であるが、同年12月中旬の底値圏では1/8の11.2兆円まで落ち込んでいた。30兆円の時価総額は「ビットコインETF」で過熱した昨夏頃の水準となるが、出来高に関しては2017年末〜2018年始の全盛期をも上回っており、現相場の潜在力を示唆していると言える。
市場シェアを示すドミナンスに関しては、ビットコインの初動となった4月2日の50.1%から、アルトドレイン(アルトコイン価格下落→ビットコイン高騰)で大幅続伸。90万円を突破し、短期天井を形成した5月14日には60.1%マークするも、この日を境に下がり始め、30日現在は55.6%まで落ちている。
イーサリアムのドミナンスは現在10.6%、リップルは6.9%となっているが、ピーク時はそれぞれ30.3%、24.6%を記録しており、アルトバブル再来した時には上昇余地の目処として捉えることもできる。
主な要因は、ビットコインの過熱感が一服したことで、利確された資金がアルトコインに向いたことによる”循環物色”がある。株式市場でも、強ファンダで特定の銘柄が高騰した後、セクター全体が思惑買いで連れ上げする現象は往々にして見られるが、これは個人投資家の余力増加に加え、思惑が加速するとともに、出遅れ銘柄の相対的な割安感が強まることが一因となる。
ビットコインは92万円までの急落から切り返したまま、徐々に下値を切り上げるなど買い圧力の強さを示唆しているが、先月中旬のような大幅調整局面はいつ来てもおかしくないため、慢心は禁物だ。
なお本日より、ヤフー子会社が出資する仮想通貨交換業者「TAOTAO」がサービス開始しており、翌月には楽天ウォレットのサービス開始を控える。中長期で地政学リスク高まる国際株式市場との逆相関を示す中、今春まで無関心だったニューマネーの動きも目立ち始めている。
アルトコインの高騰材料に関しては、以下の記事で解説している。
米ウォール街でも高まるビットコインの関心
ビットコイン分析家のRhythm氏はツイッター上で、以下のような投稿を行った。
米仮想通貨ファンド「Grayscale Bitcoin Trust」は、4月だけで11,236BTCを蓄えている。
現在、毎月54,000BTCをマイニングしている。
(Grayscale Bitcoin Trustは)現在、新たに供給されるビットコインの21%を購入している。
一年後の半減期の影響を受けると、(新たに供給されるビットコインの)2倍の値となる42%を占めることになる。
機関投資家はFOMOしている。
FOMOとは「Fear of Missing Out」の略で、見逃す事の心理的恐怖のことを指す。とくに仮想通貨市場においては、価格の上昇に乗り遅れることを恐れ、マーケット参入することをいう。
2017年の仮想通貨バブルは、主に個人投資家によるFOMOが原因の一つだと言われているが、Rhythm氏の指摘は、今回の強気相場は個人投資家ではなく、そうした投資ファンドの動きに焦りを見せる、機関投資家による要因が大きいというものだ。
現在のGBTCプレミアム(価格の乖離)は、現金取引市場と比べ37%となっている。ただGBTCは現在、アメリカの個人年金制度の一つ「個人退職口座(IRA)」に対応しているため、ウォール街や機関投資家にとって、37%の乖離はそれほど問題ではないとの見方もある。
Grayscale社は先日、同社に関する情報を更新し、運用資産残高の21億ドル(約2303億円)の内、94%がビットコイン投資信託であることを公表している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します