BitMEXが仮想通貨先物に関する機関投資家向けサービスを提供へ|CryptoCompareとの提携で実現
- BitMEXがクリプトコンペアと提携、機関投資家向けサービス展開へ
- BitMEXが機関投資家を対象としたリアルタイムの仮想通貨先物取引のデータセットを構築することを公表した。CryptoCompareとの提携で実現したという。機関投資家の投資判断に向けたより精度の高いデータ提供の実現に重要な理由を解説。
BitMEXがクリプトコンペアと提携
仮想通貨デリバティブ市場で牽引する「BitMEX」と英仮想通貨データを提供する「CryptoCompare」が共同で、リアルタイムの仮想通貨先物取引のデータセットを構築することをプレスリリースにて公表した。
巨額の資金を投じる機関投資家において、エッジ(有利な局面)の模索は常に求められる動きではあるが、(AI分析なども含めた)投資分析の多様化の中で、仮想通貨市場のデータセットの欠如はこれまでにも問題視されてきた。要するにデータを解析して取引シグナルを得る投資方法が難しい状況にある。今回の提携は、いちニュースのように思えるが、仮想通貨市場のスケールにおいて重要な動きとなりそうだ。
クリプトコンペアは英国で仮想通貨データの分析、提供を行う企業で、NasdaqやビットコインETF申請のVanEck社などと、仮想通貨先物取引のデータ提供でも提携を行なっている。現段階で機関投資家の需要はクリアに見えては来ないが、着実に一歩を進んでいるといえる。
BitMEXのデータセットは機関投資家を対象としており、市場データを提供する「Refinitiv」を通じてデータが提供されるとのことだ。また最終的には、それらデータは金融専門家を対象としたソフトウェア製品「Refinitiv Eikon」へと統合されるとしている。
CryptoCompareはこれまで、仮想通貨取引所のディーププールにおける注文板や取引データを提供してきている。
BitMEXのCEOであるArthur Hayes氏は、今回の発表について以下のように語る。
トレーディングを行う際に、最適な判断を下すためには、データへの確固たる洞察力が求められる。
仮想通貨の先物市場において、機関投資家を対象とした新たな価値のあるデータを供給できることをうれしく思う。
これにより、機関投資家はより自信をもって判断を下すことができるだろう。
仮想通貨リサーチ企業Diarの報告によると、先月には、機関投資家によるビットコインのデリバティブ取引は過去最高を記録しているという。
BitMEXにおいても、4月からの相場急騰を受け、出来高が5月に78億ドル(8603億円)に達し、ついに過去最高値を記録。専門家が分析したところ、ビットコインデリバティブ取引量はビットコインの発行限度枚数である2100BTCをはるかに超える見込みが立っているという。
CryptoCompareのCEO Charles Hayter氏も「今回のパートナーシップで、仮想通貨市場への透明化や信用が向上するだろう」と話しており、その提携による機関投資家参入への期待感を示した。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します