- Nobitexからの仮想通貨出金急増
- 有事の際の「検閲耐性資産」実需
地政学リスクで資本逃避加速
イラン最大の仮想通貨取引所Nobitexにおいて、通常の700%に達する記録的な資金流出が発生した。ブロックチェーン分析企業Ellipticが最新報告で明かした。
2月28日の空爆開始直後、Nobitexからの流出(ウォレット出金)トランザクション量は平時の8倍へと急増した。ピーク時のわずか1時間で、約300万ドル(約4.7億円)相当の資産が同取引所から外部へ移送されている。
背景には、イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師がイスラエル軍のミサイル攻撃により殺害されたという衝撃的な報道がある。指導者喪失という未曾有の事態により、国内の金融不安がかつてないほど高まった形だ。
流出資金の多くは海外取引所や個人ウォレットへ送られており、既存の銀行システムを介さない資本逃避として機能している。これは、暴落のリスクを孕む法定通貨リアルから個人資産を守る動きを反映したものだ。
Ellipticの分析によれば、1,100万人以上のユーザーを抱えるNobitexは、以前から制裁の回避手段として注目されてきた。今回の流出急激な増加も、戦時下における当局のリスクヘッジや、国民のパニック的な回避行動が要因と見られる。
今後は、紛争の深刻化に伴い、国境を越えた仮想通貨による無許可の資産移転がさらに活発化する見通しだ。極限状態における「検閲耐性を持つ資産」としてのビットコインの役割が、実戦的に証明されつつある格好だ。
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