「米規制当局はテクノロジーに逆行している」米Bakkt社等関係者が明かす仮想通貨リブラを取り巻く規制環境への本音

米Bakkt社等の規制環境に対して難色
仮想通貨リブラの発表を受け、それを取り巻く規制環境のあり方に関して米関係者間で議論が行われた。米規制当局の対応に難色を示しながらも、Bakkt社COOのWhite氏は辛抱強く待つ姿勢。

仮想通貨リブラを取り巻く規制環境はどうなるか

米フェイスブックがホワイトペーパーの公開を通じて詳細を明かした仮想通貨リブラは、発表後多くの規制当局関係者の注目を集めた。主な論点は、セキュリティやプライバシーに関する懸念で、各国規制当局は過去に個人情報の第三者への流出など過去に不祥事が起きたことを危惧している。

とりわけ米国では、先週に議会上院での公聴会の開催が決定し、金融サービス委員会のMaxine Waters理事長を中心にプロジェクトの中止を求める声が上がっていた下院でも、委員会による公聴会の開催が行われることが決定した

そのような渦中、米国メディアFORTUNEが開催したブロックチェーンの法規制に関するパネルトークにて米商品先物取引委員会(CFTC)のTimothy Massad元会長 デジタル商取引会議所の創設者Perianne Boring氏とBakkt最高執行責任者(COO)のAdam White氏による興味深い議論が行われた。

本トークは、リブラのようなブロックチェーン技術を取り巻く規制環境に関するもので、特に会話の中で2つの注目すべき点が見られた。一つ目に彼らが現在の米国の規制当局の動きをどのように見ているかという点、またBakkt社COOのWhite氏からの行われたコメントだ。

Massad氏は現在の米規制当局の動きに対して「我々が今後議会で目の当たりにすることは、フェイスブックに対して、彼らがやろうとしていることの目的何なのか、ユースケースは何なのかと問い詰めることだ」と言及、技術革新面での遅れを危惧した。

Boring氏もそれに同調、米国は急激に置いていかれていると述べ、以下のように言及した。

多くの先進国では、魅力的な環境を作り出すために積極的な措置を講じており、企業が自社の規制管区内においてブロックチェーン上で技術革新と技術構築を行えるようになってきている。アメリカは、まさに正反対の道を辿っている。

自国の規制環境に関して危機感を示している各者であるが、これがフェイスブックにとって向かい風になることは明らかだ。「米国は多くのものを失う」とBoring氏が述べるように、そうなるかの行く末を見守る必要があるだろう。

Bakkt社のCOOが明かす米規制当局に対する本音

また、現在ビットコイン現物先渡し先物を提供する方針で米CFTC(商品先物取引委員会)に18ヶ月以上認可待ち中であり、プロダクトの7月から試験段階に突入するBakkt社のCOOであるWhite氏も法規制に関してコメントしている。

長期間にわたり先物提供の認可が下りない中で、「このような規制絡みのことに時間がかかることは承知している。すぐに許可が下りるとは思っていない」とした上で、今後は望ましくも良き議論がなされることを期待していると述べている。

期待としては、アメリカ国内で企業を成長させることであり、海外に出て行ってしまうことを見ることではない。

認可に時間がかかることや、規制当局の動きが保守的である点に関して、仕方のないことであるとしながらも、やや失望の面影が感じられた内容だ。

同氏自身、米Coinbase社でエンジニアをしていた経歴もあり、技術と法整備の両方が重要であることは経験として理解している。今後辛抱強い対応と、リブラの今後の行く末も含めて業界全体の進捗と法整備の進展に注視したい。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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