ついにメインネットローンチに向けて動きが加速してきたFilecoin、これによりFilecoinの価格上昇に期待が高まっています。
新たな世界のインターネットインフラ(Web3.0)の旗手とも目され、グーグルやネットフリックスもFilecoinを開発したProtocol Labs社の基幹技術「IFPS」を取り入れると表明していることからもわかりますが、Filecoinの期待の大きさの理由、そして、そもそもFilecoinとはどんなコインなのかを簡単にご紹介します。
Filecoin(ファイルコイン)概要
Filecoin(ファイルコイン)とは、HTTPに代わる新たなプロトコルであるIPFS(Inter Planetary File System) を利用してストレージの貸し借りを可能とする分散型ストレージネットワーク構築プロジェクトのことです。
現在、全世界には約50%の利用されていない余剰ストレージが存在するといわれており、Filecoinプロジェクトは、この余剰ストレージを貸し借りするためのプラットフォームを提供します。
今のインターネットでは、クラウドストレージサービスとしてGoogleDriveやDropBoxが既に存在しますが、これらの従来型のストレージサービスは、特定企業が管理するサーバー上にデータが存在する中央集権的なサービスです。
これからの新しい世界のインターネットストレージサービスでは、ブロックチェーンテクノロジーを活用してユーザー同士でデータを管理する非中央集権型のP2Pのストレージサービスとなります。
Filecoinプロジェクトは、基幹技術であるIPFS(InterPlanetary File System)を利用して、P2Pのクラウドストレージサービス(インターネット上のファイル共有サービス)を構築します。
すでにIPFSを採用する企業は多数登場しており、代表的なのがNetflixやGoogleなどのテックジャイアントです。また、web3.0 の事例として有名なプライバシーを重視した高速かつ安全な次世代ブラウザ『BRAVE』ではすでにIPFS上のコンテンツサポートをしています。
Filecoinに期待を寄せる人たち
Filecoinに期待を寄せているのがデータセンター市場です。
近年のスマートフォンの普及、通信速度の向上、コンテンツのリッチ化、IoTによるネット接続デバイスの拡大などの理由により、世界のデータ量は2010~2020で35倍もの伸びを見せています。
今後5Gが普及することでデータ量の増加はさらにスピードを増すでしょう。
当然、データセンターが保管するデータ量は増え続け、そこにコストとセキュリティーの問題が起きることは自明と言えます。
Filecoinは今後データセンターが抱える2つの課題に対する解を持ち合わせ、これからの世界のインターネットのインフラとなる可能性を秘めています。
ちなみにFilecoinは、すでにスタンフォード大学が進めるENCODEという人間のゲノムデータをパブリックな状態でセキュアに保存するためのプロジェクトや、AI自動運転自動車のためのオープン環境下でのデータストレージとしても使われています。
FilecoinのICO等に参加した大物投資家
web3.0では、これまでの中央集権的なサービスの多くが、非中央集権型のP2Pネットワークとして提供されるようになります。
その最先端を行っているともいうべきFilecoinが2017年8月に実施したICOでは、多くの投資家が参加し、実際のICOプレセールス時には開始1時間で約170億円の資金が集まり、最終的には約282億円の資金調達に成功しています。
ちなみに、当時のプレセールの参加資格として、総資産額1億ドル以上の投資家、または年間で20万ドル以上の利益を出している投資家のみという、高い参加制限が設けられているにもかかわらずです。
Filecoinに投資した投資家の中には、100社以上の企業のスタートアップに成功したシリコンバレーに拠点を置くスタートアップアクセスレーターのYcombinatorや、同じくスタートアップを支援するAngellistというwebサイトを立ち上げたNaval Ravikant氏などの有名投資家、Andreessen Horowits・Sequoia Capitalなどの大手VC、Winklevosなどの仮想通貨系VC、さらにはスタンフォード大学など錚々たるメンバーが名を連ねます。
これらの投資先の名前を見ているだけで、このプロジェクトはスキャムではないとわかりますね。
すでに盛り上がるFilecoin IOU市場
2020年6月時点では、Filecoin の先物(IOU市場)が上場しているのは以下の海外取引所です。
- Gate.io
- LBank
- TOKOK
- BitForex
Filecoinの先物取引はすでに2年前から開始され、月間の取引量は1000億円を超える規模までなりました。Filecoin先物取り扱い取引所の一つであるGate.ioといえば、知る人ぞ知る将来性のあるコインを多く上場させる取引所として知られていますが、ここにもFilecoinが期待感の大きな通貨であることが現れているようです。
2020年6月9日時点のGate.ioでは、IOU市場(先物)のFilecoinでは12ドル台後半の価格で取引されています。
ちなみに、過去の最高値は2018年1月12日の30.15ドル、同じく最安値は2019年8月19日の1.83ドルとなります。
直近3カ月では、ビットコインと同様、コロナショックにより急落し、3月13日には一時価格は日本円で186円まで急落しました。
しかし、その後は急上昇し、ビットコインなどメジャー通貨の上昇率を超え、6倍近い1000円越えを5月31日に果たしています。
Filecoinの上場予定先
FilecoinのICO投資家としても参加していたWinklevos(ウィンクルボス)が運営するニューヨークを拠点とするGeminiではFilecoinの取引サービスを開始する予定だと公式ブログにてアナウンスしています。
Geminiは現在、Coinmarketcapでは取引量世界11位を誇る取引所です。
また、世界最大規模の取引所であるCoinbaseでも、Filecoinのカストディーのサポートを発表しています。
世界的な取引所に取り上げられるFilecoinの技術面・プロジェクト運営側信頼度の高さも、今後のFilecoinの拡大に注目が集まっている要因と言えます。
Filecoinの未来
2020年6月8日現在、仮想通貨時価総額は約30兆円をこえるところにあり、 その中でもビットコインが約20兆円で65%ほどのシェアを持ち、同じ時価総額2位のイーサリアムが3兆円弱、3位のリップルが1兆円弱という時価総額です。
2018年1月以降、仮想通貨時価総額ランキングでは、上位3通貨(ビットコイン、イーサリアム、リップル)のポジションを脅かすような通貨は登場しておらず、このことが、イマイチ盛り上がりに欠ける仮想通貨相場の元凶といえるのかもしれません。
そんな仮想通貨相場の中で期待されているのが、web3.0時代の仮想通貨です。
web3.0仮想通貨として位置づけられるFilecoinは、すでに先行するBAT(braveブラウザ)の価格が上昇したように、Filecoinの価格も上昇すると期待されています。
未だに仮想通貨の中心は最大シェアを有するビットコインというところで、仮想通貨相場=ビットコイン相場だったといっても過言ではありません。
2020年初頭からのコロナショック後の投資市場では、時価総額20兆円を有するビットコインは、金や銀、プラチナなどの安全資産(リスクオフ)の投資対象の位置づけとなっています。
この位置に来るまでに10年の月日が流れています。これはブロックチェーン/仮想通貨に対しての信頼がようやく構築され始め、ここからが本番とも言えます。
今年はさらに中国のデジタル人民元やFacebook社のリブラが市場へ流通するとも言われる年でもあります。
Filecoinの期待ポイント
Filecoinはその開発目的の主である「地球規模の一つのデータストレージ環境を構築する」というビジョンの元、今後も拡大し続けるデータセンターのインフラになり得え、ブロックチェーン上のデータを保管する手段にも使われることなど、莫大なデータセンターへの需要に応えていくと期待されます。
またFilecoinは環境問題や多くの問題を孕んでいるマイニングの観点からみても期待されています。
ビットコインを代表するマイニング方式のPoWでは高速演算のためのマシンが必要とする大量の消費電力が問題となってきましたが、Filecoinのマイニングではそれらを解決するためのより洗練されたマイニング方式を採用しています。(Filecoinのマイニングに関しては別の機会に詳しく解説予定)
以上の観点からFilecoinは長年、仮想通貨=ビットコインという構図に風穴を開けるポテンシャルを秘めていると言えるのではないでしょうか。
今後投機需要の観点から、アルトコインへ資金が流れることがあるのなら、Filecoinには注目が集まります。
ちなみに、Web3.0を代表するBAT(braveブラウザ)は、すでに仮想通貨時価総額ランキング26位にまで上がってきています。
今後インターネットの世界がどのような方向に進むかは誰にも予想はできませんが、Web3.0の世界の拡大・インフラとしてのデータセンタービジネスの拡大は続いて行くでしょう。
その中でFilecoinがどれほど躍進できるのか、Filecoinの今後に期待です。
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