17年仮想通貨バブル相場と4つの相違点 英大手仮想通貨ファンドが報告書で指摘
- BTCの強気相場は機関マネーの殺到か、英大手仮想通貨ファンド報告
- 英大手仮想通貨ファンド「Coinshares」は、報告書で「ビットコインドミナンスの新時代」と現在のBTC一辺倒な相場状況を表現。17年のバブル相場で見られた4つの特徴が見られない市場状況を説明した。
BTCの強気相場は機関投資家の殺到か
英大手仮想通貨ファンド「Coinshares」は最新の報告書を公開し、「新たな機関投資家」からの資金流入が要因となり、今年のビットコインは強気相場に繋がっているとの分析を行なった。個人投資家からの投資が減少する一方で、「ビットコインドミナンスの新時代」と現在のBTC一辺倒な相場状況を表現した。*BTCのドミナンス(68.9%)は2017年末のバブル相場時の水準をすでに超えている。
Coinsharesは2019年1月〜6月の市場トレンドを分析し、2017年のバブル相場との明確な4つ相違点を指摘した。
- 幅広いメディアの注目度
- グーグルのビットコイン検索数上昇値
- ビットコイン関連のツイート数上昇
- アルトコインとの強い相関性
今回の相場上昇の中では、2017年に見られたこれらの4つの要素が全く見られなかったとしている。根本的に一般投資家はついてきていないとする指摘だ。
同報告では、バブルを引き起こす要因が欠如している反面、ビットコインが「ブル・ラン(価格上昇)」をしている理由が「機関マネー」が殺到していることがあると指摘。例として、米大手資産運用企業フィデリティ社がビットコインのカストディサービスの提供を準備していることを取り上げた。フィデリティは現在、一部の適格機関投資家に向けて、BTCのカストディサービスを提供しており、仲介業者として仮想通貨取引サービスの提供も計画している。
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また、マイクロソフトやスターバックスなどの「非仮想通貨」大手企業が、NYSEの親企業ICEが設立した仮想通貨プラットフォーム「Bakkt」に出資していることも取り上げた。
昨年8月に発表されたBakktは先月より、現物決済ビットコイン先物のUATを開始した。Bakktは先物の正式ローンチのために現在NY州の信託ライセンスの承認を待っているが、ICEのCEOやBakktのCEOの言及によると、『近いうちに』ローンチする見込みとのことだ。
なお、これらの報告において、市場を支えていると主張した「機関マネー」の裏付けは少し物足りないかもしれない。
機関マネー以外にも、市場の相関性から重要視されるUSDTを利用した市場操作など、価格に影響を与えていると見られるクジラの動きも業界における要因に常にあがるトピックの一つだ。特に中国ではでUSDTは仮想通貨OTC市場へのアクセス手段として大口投資家に利用されている。
現時点では、機関マネーにつながるプラットフォームのローンチが限られているため、相場上昇の主な理由だと一括に説明し難いと見られる。しかし、機関マネーが今後新たな機関投資家向けのプラットフォームを通じてビットコイン市場に流入することが、データ化により可視化になれば、市場の安定性と信頼性を高めていくことへの期待感は高いといえよう。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します