「米国市場は十分チャンスがある」仮想通貨取引所バイナンスUSのCEOがAMA実施
- 米国版バイナンスのCEOがAMA実施
- 米国版バイナンスCEOのCatherine Coley氏がAMAセッションを実施。質問に回答する中で、「米国の仮想通貨取引市場には十分チャンスがある」と意欲を示した。
米国版バイナンスのCEOがAMA実施
世界一の取引高を誇る大手仮想通貨取引所バイナンスが米国市場向けに新たにオープンした取引所「Binance.US」は、現地の東部標準時間24日午前9時から取引を開始する(日本時間24日午後10時)。
それに先立ち現地時間23日、Binance.USのCEO Catherine Coley氏が、サンフランシスコのオフィスからAMAセッションを配信した。
外貨取引からキャリアをスタートさせたColey氏だが、7月にBinance.USのCEOに就任する前は、米リップル社で機関投資流動性部門のトップを務めた経歴を持つ。
Coley氏は、Binance.USを「あなたが求めていた取引プラットフォーム」と紹介し、世界のバイナンスユーザーからのインプットを取り込んだ上で、米国の事情に合わせて構築されていると述べ、ユーザーからのフィードバックが自身の「酸素」であり、取引所とユーザー双方向のプロセスを重要視していることを強調した。
また、バイナンスCEOのCZ氏と「世界のお金の自由度を高める」という共通の目標を持っており、特に仮想通貨初心者にとってハードルの高いデジタル資産へのアクセスを、より親しみやすいものとすることを望んでいると述べた。
これまでバイナンスで培われたマッチングエンジンやウォレットの先進技術は、ライセンスという形で、サンフランシスコを本拠とする金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)の登録金融サービス業者BAMに提供され、米国の規制環境に準拠しつつ、本家バイナンスからは独立した取引所として運営される。
そのため、最初の質問である「Binance.USのUSDT市場は、Binance.comのオーダーブックと連携しているのか」への答えは、ノーであり、「流動性の面ではバイナンスとのつながりはない」と説明されている。Coley氏は、そのことに対し「多くの人が不満の声を上げて」おり、実際「残念」なことではあるが、Binance.USが運営を許可されている境界内で取引を始め、規模を拡大していくつもりだと述べた。
米国での取引所運営には、州ごとに異なる規制や許可制度という独特の規制のハードルが存在する。そのため、Binance.USもニューヨーク、フロリダ、テキサスなど13の州のユーザーは、現時点では登録することができない。また北米全域への展開も望まれているが、まずは限られた州の居住者のみへのサービス提供となる。
しかし、 Coley氏は米国におけるBinance.USの成功を楽観視しているようだ。「すでに多くの取引所が存在する米国市場におけるBinance.USの優位性は何か」という質問に対し、同氏は、米国の仮想通貨取引市場はまだまだ余裕があり、人口動態や取引のスタイルといった要素を考慮すると、十分チャンスが見込めると答えている。
さらに、米国の規制に準拠し、市場を切り開いてきた既存の取引所には敬意を持っているが、Binance.USが想定しているユーザー層という面で大きな違いがあると述べた。
Binance.USのターゲット
Binance.USのターゲットとしては、取引プラットフォームに双方向性の経験を望んでいるユーザー層を挙げ、そのようなユーザーに対し、Binance.USは対話する機会を増やし、ユーザーの意見を反映させる取引所を作っていくと述べた。
その意味では、取り扱って欲しい仮想通貨に対する意見にも耳を傾ける用意があること、またスマートフォンでの取引が盛んな米国のユーザー層に向け、iOSやアンドロイドのアプリをローンチする予定であることにも言及。また、バイナンスで成功している保険、SAFU機能に類似したシステムをBinance.USにも導入し、安全性への保障とすることも付け加えた。
取引開始初日の24日には、BTC、ETH、XRP、BCH、LTC、USDT、BNBの7銘柄で取引が開始され、翌25日には、ADA、BAT(Basic Attention Token)、ETC、XLM、ZRXの5銘柄の取引が追加される。
世界の経済動向を先読みして、素早く着実に市場を開拓してきたバイナンスの手腕が、米国で試される。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します