バイナンスの推定利益が過去最高水準に、仮想通貨BNBのバーン量を元に

BNBのバーン量から推定するBinanceの利益が過去最高水準に
仮想通貨取引所トークンBNBのバーン量から推定した、2019年の第3四半期のBinanceの利益が過去最高水準を記録し、V字回復を見せていることがわかった。

BNBのバーン数量からBinanceの利益を推定

仮想通貨取引所Binanceの取引所トークンBNBのバーン量から推定した今期の利益が1,86億ドル(日本円で約200億円)に達したことがわかった。

17日、仮想通貨取引所Binanceは同取引所トークンであるBNBの9回目のバーンを終えたことを発表した。今回バーンされたのはおよそ200万BNBで、日本円にしておよそ40億円に相当する。

バイナンスは一期ごとの利益の20%分のトークンをバーンする方針を発表しているため、トークンのバーンされた量からおおよその利益を推定することができる。

これまでに計9回のバーンが行われたことになるが、計算方法の変更などを考慮せずにBNBのバーン数量から取引所の利益を推定すると以下のようになる。

それによると、今期の利益はBTCの価格が最高値を記録した2017の第四四半期には及ばないものの、グラフの中では2番目という高い利益を記録している。

これには複数の理由があると考えられる。バイナンスのCZ氏は今回のバーンに関する公式ブログ記事にて、マージントレードなどの新たな事業の成長が、バーン数量の増加に貢献したとしている。

また、少なからず影響を与えているとみられるのが、トークンのバーン数量を決定する計算方法の変更だ。

計算方法の変更も影響

Binanceは前回のバーンの後、BNBをバーンする量を決める計算方法を変更している。

それによると、新しい計算方法では、現物取引所の出来高に加え、さらに2つの先物取引所や新たな事業などに関する出来高も計算に含まれるという。

また、計算の算出元となる数字自体も利益から出来高へと変更されている。

関連記事:「BNBトークンのバーン」の基準を更新

しかし、これに関しては取引所の関係者からバイナンスはいまだに利益の20%から計算を行なっているとの情報もあり、不透明な状態となっている。

いずれにせよ、仮想通貨全体においても現物の取引高はここ数ヶ月落ち込んでいるため、先物取引などからの利益がBinance取引所全体の業績を牽引しているとみられている。

特にバイナンスの先物取引所はサービス開始からまだ1ヶ月少し程しか経過していないにも関わらず、出来高が増加し、先日にはBTCの24時間出来高ですでに世界4位に達したことが報道されている。

関連記事:バイナンス、先物取引所でも世界4位に

取引所の経営安定化への道すじ

現在、多くの取引所を悩ませているのが、出来高が下がれば、利益もそれに伴って減少するという、手数料への高い依存度だ。これは、取引所の利益はその多くを取引時の各種手数料に依存していることに依る。

利益が出来高に影響され、安定しないことは経営上、大きなリスクとなるため、様々な取引所がカストディやレンディングサービスを開始するなど、事業の多角化へ向けた試みを行なっている。

そういった動きの先頭に立っているといえるBinanceは今回、現物取引の出来高が市場全体としても低迷する中で、新たに開始した複数の事業から利益を得ているとみられ、収入源の多角化、安定化に関しても確実に成果が出ているといえる。

ちなみにBNBのバーン量は下3桁が過去三回で連続して「888」になっており、これは中国において縁起がよいとされる8という数字であることから、験担ぎの意味で恣意的に行われているのではないかとの憶測もある。

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