スイスで「仮想通貨銀行」が誕生 機関投資家含む顧客へ口座受付を開始

SEBAが仮想通貨銀行サービスを開始

スイスに拠点を構えるSEBAが、仮想通貨銀行サービスを正式に開始した。

公式声明によると、SEBA Bank AG(元SEBA Crypt AG)は、企業や機関投資家を含むスイス国内の顧客が口座を開設受付を開始した。今年中にも、国外顧客にも仮想通貨銀行のサービスを拡大する予定だという。

SEBAは、銀行業や証券業のライセンスを取得した上で、仮想通貨と法定通貨の交換サービスを新たな規制上で試みている企業で、既存の金融と仮想通貨経済の架け橋になる事業を目指している。事業モデルとしては、法定通貨を預ける銀行と仮想通貨取引所を混ぜたイメージだ。

SEBAは2018年4月に設立、2019年8月にはスイス金融市場監督庁(FINMA)から銀行業の免許を取得。

Guido Buhler最高経営責任者は、顧客は「セキュリティリスクに晒されずに」デジタル資産を取引できるようにしたいと語っている。

SEBAは安全にデジタル資産を保護することが同社の成功に不可欠だと説明。投資家は同社の統合されたインターフェースを介してデジタル資産ともに伝統的な資産にも投資することができる。

ウォレットとカードが仮想通貨取引普及の糸口に

SEBAはウォレットアプリ、ネットバンキング、カードの提供も行っている。同社の案内によると、顧客はこれらの機能を通じて法定通貨とビットコイン、イーサリアム、ステラ、ライトコイン、イーサリアムクラシックの5種類の仮想通貨を取引できるようになる。

SEBAカードは世界中で約4200万の小売店で利用可能だ。Buhler氏は「SEBAカードが仮想通貨取引の普及拡大に貢献する」と考えている。

さらに、同社はスイスのブロックチェーン企業に法人口座を提供。「彼らの需要に応じて法定通貨とデジタル資産を取引管理することができるようになる。これはブロックチェーン経済やトークンエコノミーの普及のために欠かせない」とBuhler氏は話す。

昨年8月には、SEBAの競合であるSygnumがスイスの銀行業免許を取得し、同年9月にサービスを開始していた。さらに今年10月にはシンガポールで証券先物法に基づく資本市場サービス免許を取得している。

同社はデジタル資産を組み入れたマルチマネージャーファンドを先立って提供する予定だ。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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