JPモルガン、ブロックチェーンでデリバティブ取引時の担保送金を高速化

JPモルガンのブロックチェーン利用

米メガバンクJPモルガンは、カリフォルニア州のフィンテック企業、バトンシステムズと協力し、デリバティブ取引用にブロックチェーン技術を取り入れ、キャッシュや担保の送金を高速で行うシステムを開発した

従来のシステムでは、担保管理者が複数のシステムやスプレッドシート、レポートを手動で調整する必要があった。ブロックチェーン技術を応用することによって、現行の技術インフラはそのままに、カストディアンや他のファンドへの決済指示を財務システム上で統合することが可能となる。

リアルタイム処理を実現

担保ワークフローのエンドツーエンドの自動化により、JPモルガンと様々な清算期間の間における資産フローが可視化され、追跡監査やリアルタイム通知が可能になるという。差額清算に関する、事前の証拠金支払いの必要性を減らすこともできる見込みだ。

様々な処理に必要な時間も、数時間からほぼリアルタイムにまで縮減されるという。「すでに、担保ライフサイクルに関わるすべての人々に対して、より高速で効率的な決済、調整、レポートの機能を提供している」とJPモルガンのグローバル清算業務およびトレーディングコスト管理の責任者であるAnthony Fraser氏は説明。

バトンシステムズのCEO Arjun Jayaram氏は、金融機関の担保・現金システムと統合することで、担保処理を手動で行う必要性を取り除く、画期的なソリューションだとしている。

JPモルガンのブロックチェーンによる新システムは、現金と担保、通貨と通貨、担保と担保などによる担保代替プロセスをシンクロし、高速化することも行える。すべての主要なデリバティブ関連企業によって導入することができる状態だという。

同行はすでにブロックチェーンを用いた国際決済ネットワーク「IIN」を運用している。世界から300以上の銀行が加盟している。

直近では、シンガポール中央銀行と協働して、国際間決済のためにブロックチェーンを使用したシステムのプロトタイプを開発するなど、積極的に同分野における業務改善・拡大を行っている。

参考:プレスリリース

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シンガポール金融管理局(MAS)、シンガポール中央銀行、および投資銀行大手のJPモルガンはクロスボーダー決済のためのブロックチェーンを使用したシステムのプロトタイプを開発した。
資産規模で東南アジア2位の華僑銀行がJPモルガンのブロックチェーンネットワークIINに加盟する。シンガポールの銀行では初めて。同ネットワークには300を超える銀行が加盟する。

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