OneCoin仮想通貨詐欺で得た430億円のマネロン容疑者、最終弁論へ
430億円詐欺の最終弁論を実施
ネズミ講を運営していたとされる「OneCoin Ltd」の関係者であるブルガリア人女性Ruja Ignatova氏から受け取った資金の資金洗浄を行なったとして、弁護士で51歳のMark Scott被告人が起訴され、今週水曜日に最終弁論が行われた。ブルームバーグが報じている。
OneCoinは、ブロックチェーンを利用した仮想通貨システムを悪用した詐欺(ポンジスキーム・出口詐欺)を展開したと報じられており、連邦検事補のNicholas Folly氏によれば、Scott被告人はIgnatova氏から預かった資金の資金洗浄を行うことで、報酬として5千万ドル(約54億円)を受け取ったという。
同公判にてScott被告人は、その報酬を17.4mのヨットやマサーチューセッツ州ケープゴッドで数十億ドル規模の複数の不動産を購入、さらに高級腕時計、ポルシェ3台など高級車の購入に充てるなど贅を尽くしていたことが明らかとなっている。
Scott被告人はペーパーカンパニーやオフショア口座、偽文書を駆使し、OneCoinが違法行為により得た4億ドル(約430億円)の資金の出所の隠蔽に加担したとされている。そのため、現在同被告人は資金洗浄および銀行詐欺の罪に問われている。
仮想通貨「OneCoin」は2014年第4四半期から2016年第3四半期にかけて発行され、同詐欺グループは34億ユーロ(約4086億円)を手にしている。しかし、OneCoinに実質的価値はなかったという。また同詐欺による被害者らは、他者へコイン購入を勧誘し成功した場合に周旋量が支払われる、いわゆる「ねずみ講」が行われていたとの証言を残している。
かつて「クリプトクイーン」の異名をとったIgnatova氏はマネーロンダリングと詐欺の容疑で起訴されているが、2017年から逃亡を図っている。
同裁判の冒頭陳述は11月5日から開始しており、審議は今週木曜日の朝から行われる予定だ。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します