米スタートアップ、イーサリアムのブロック伝播時間半減に成功 スケーラビリティ改善で注目事例に
ブロック伝播時間を減少
ブロックチェーンのスケーラビリティに特化した米スタートアップBloXroute Labsが、イーサリアムのメインネット上で、ブロックの伝播時間を半分以下に減少させることに成功した。
伝播時間とは、ブロックが生成されてから他のノードに共有されるまでの時間を指す。今回の実験は、11月11日から27日まで期間にブロックチェーン企業Akomba Labsが実施。
BloXroute Labsが構築した「Blockchain Distributed Network(BDN)」を利用してイーサリアムのノードを立て、現在の平均値である360ミリ秒から172ミリ秒まで伝播時間を減少させることに成功した。
今回の結果でBDNが、数字こそ小さいが、イーサリアムのネットワークのスケーラビリティ向上に可能性を秘めていることが証明された。イーサリアムは2.0へのアップグレードが迫っているが、その目的の1つがスケーラビリティの改善である。
BloXroute Labsのアプローチは、トランザクションサイズを減らし、ブロック伝播時間を速めるという方法だ。同社CEOのUri Klarman氏は「取引があったことが伝わっていれば、ブロック全体を送信する必要はない。実際のデータ自体を送る必要はないということだ。どの取引があったかだけを伝えれば良い」と説明している。
BloXroute Labsは9月にも同じテストを行なっており、その際はブロック伝播時間を25%減少させることに成功していた。Klarman氏はすでに複数の大きなマイニングプールでBDNを稼働せており、今後はより大きなマイニングプールへと徐々に利用を広げていく方針だ。「ブロックに対するキャパシティが向上すれば、手数料を下げることができる」と意欲を見せた。
参考資料 : CoinDesk
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